稲が穂を付けています。
 真夏と変わらない暑さですが、秋の虫の声も聞こえてきます。

 異常気象というのが、このように現実感をともなって感じられるの程の異常な夏です。

 サブタイトルがとても過激な本です。

 「それでも、世界一うまい米を作る」 奥野修司著 講談社

読み進む内、日本の食糧事情が、受給率のみではなく、安全を含め危機的なことになっていることを教えられました。

 今まで食料輸出国であった中国などが輸入国に変わったこと、余剰穀物といわれていたものが、中国の輸入の伸びる量から計算するととても間に合わない。かの国は、着々とアフリカなどで自国民の為に穀物生産の取り組みを始めているが、日本は?何も策を講じていないなど、将来的な展望。
 
 今まで、有機農法のものは、輸入品であっても安全と思ってきましたが。日本の検査は、農薬のみで、有害なミネラルはほとんど検査されていない。ポスト-ハーベスト、生産地から輸出されるときに、長持ちさせるために使われる薬品は、規制外と言うことです。便利のためには、害するものも許されている現状は、キッと農業に限らないのでしょうが。

 著者は、日本の農業の問題も取り上げています。

 読んでいくほどに、日本の農業政策の貧しさも含め、余りにものんきなと思ってしまいます。
 日本が第2次世界大戦で負けた後の食糧難はひどいものでした。戦勝国とはいえ、イギリスも同じ状況に置かれたたことを(自給率は今の日本とほぼ同じくらいであったといいます)ふまえて、自給率を高める努力をし、70%位までに成っているそうです。

 「食べる」と言うことは、基本的なこと。直接私の健康に繋がること。
この本を読みながら、消費者もその場でもっと知らなければ、良い農業にも、良い国にもなり得ないと思います。

それでも、世界一うまい米を作る 危機に備える「俺たちの食糧安保」/奥野 修司
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