大前研一著「「知の衰退から以下に脱却するか」 に、日本人の集団IQが低くなっていることを、ひいては、日本の人々の判断力が落ちていると、著者は指摘しています。新聞やテレビでも、世界共通のテストで、昔は世界的に見て高水準だった子供達の学力が落ちていることが指摘されています。私が一昨年、カナダで小学生達の教室で受けた印象と、日本の小学生達との差の大きさを感じました。カナダでは、絶えず、自分たちの言葉で考える教育がなされていました。其の時受けた印象と、一斉学力テストの結果の水準が向上している結果に、そうであろうと合点しました。カナダの学校でも数年前は答えの選択制のしめる部分が多かったそうですが、それでは良くないと、方針を大きく変えました。教え方の大きく変わった点はマークシート方式の答えの選択制ではなく、しっかりと文章で書かないとならないことでした。理解が出来ていないと、文章では表現出来ません。
結果、学力が向上したことに、先生達は自信を持っていました。先生達の権威は、日本より大きく、学生達が騒ぐと、遠慮無く、廊下に立たせたり、一人学習させたりして居ました。
「知の衰退・・・」より引用
かなり昔のことになるが、私は当時の首相に言ったことがある。
「今の政府は国民を騙すようなことばかりやっている。このままだと、国民は怒りを覚えて立ち上がるでしょう」
と、このように進言したのだが、首相は私)にこう言った。
「大前さん、わが国は愚民政策を施しているから大丈夫だよ」
まさかと耳を疑ったが、これは事実である。当時の日本n政治指導者t役人達は、学生達が政府にたてつくとが出来ないように愚民政策をとっていると確かに認識して居たのだ。P254 引用終わり
どの首相か名前は書かれていません。何時だったかも書かれていません。自分の国の国民に馬鹿になる教育を施していると、首相が堂々と発言できる国に住んでいるなんて信じられません。
そして、一方では、成績が落ちた原因を、日教組のやり方が悪いという事で、先生達への非難することもよく聞く結論です。若し、両方が事実ならば、両者が(政府や役人も先生の組合も)同じ穴の狢(むじな)でよってたかって、馬鹿を作る教育をして居ることになります。一体何故?おとなしい国民は、コントロールしやすいから?
気分が沈む話です。
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