今回の旅の主な目的は、旅日記1の東白川にある田中屋さんを訪ねたい、ということでした。母の親族を訪ねたときに食した味噌や醤油があまりにも香り高く美味しかったので、以来こちらの味噌や醤油を求めています。


 味噌も醤油も冬の寒いときに作られるものです。シーズンオフですが、お訪ねすると、快く作業場に案内してくださり、丁寧に説明してくださいました。


 味噌、醤油に使う大豆は無農薬の自家製。収穫した豆を薪を使って大きな鍋で煮る。麹もすべて自家製のもの。大きな木の樽で保存。そんな手間暇をかけた醤油や味噌は旨みが違います。 醤油


味噌 初めて使うと、今まで私が使ってきたのとは違い、塩味が勝っているのですが、これを控えめに使うと・・

 醤油は色が薄く、関西の薄口醤油に似ています。香りは断然こちらに軍配があがり、この醤油を使って煮物をすると、私の煮物の腕が上がったのかしらと錯覚をしてしまうくらいにうまく煮上がります。砂糖などを使う必要がないほど、野菜の甘みを引き出してくれるのです。


 味噌も香ばしい味噌の香りが袋を開けるといたします、大きな大豆の粒がそのままの、きっとこのあたりの伝統的な作り方なのだろうと思いますが、味噌汁を作るときに、だし汁を使わなくても美味しい味噌汁に仕上がります。


 田中屋さんのおかみさんがお嫁にきたときにお姑さんから教わったとおりに作っているということですが、仕事は大変だから、自分の代で終わってしまうと寂しいことをいっておられました。そんな人柄と、この家に付いている麹の品質の良さに加え、水のうまさが高品質のものを作り上げているのではと思います。

 

 田中屋さんのホームページhttp://www5.ocn.ne.jp/~onzi/http://www5.ocn.ne.jp/~onzi/jyouhou.html におかみさんの姿が写っています。ちなみに、村の人たちは、おかみさんのことを、みんな”さっちゃん”と呼んでいました。

 

 このような本醸造の味噌には、デトックス効果(毒素排出)認められています。チェルノブイリ原子力発電所の爆発事故(1992年)で、多くの人々が放射能汚染にさらされたとき、日本のお味噌が大量に輸出されました。日本のテレビニュースでも放送されたのを疎(うろ)覚えですが、記憶に残っています。

 その元の話は、長崎の原爆被害にまつわる話です。


 や”スローフード”の最高に生きた食材であり、健康の源であるのです。

そパワ-は放射能の害からも守る。日本では昔から調味料として味噌・醤油は深い関わりがある。

「みそ汁は朝の毒消し」といわれてきた。最近では「みそ」はガン予防、放射線(レントゲン)防御作用、病気回復促進、老化原因の活性酸素の消却作用など、その効力が医学的にも高く評価されている。外国でも優れたみそパワーが認められてきた。

米国「アトランタ五輪」選手村のレストランで、世界の選手に提供されるメニューに「みそ汁とまぐろステーキ」が日本代表料理として加わることに決定した。

みそ汁は、かつお節でだしを取り、具には豆腐とネギ及びワカメを入れたもので各国の人々に日本の本物の味を提供したいとしている。なを世界の人たちが「ミソ」の威力を認識するようになったことは、大きなきっかけがあった。

1992年4月に起こったロシヤのチェルノブイリ原発事故で・・死の灰が広範囲に飛散、北半球のほぼ全域を汚染した。汚染源はヨウ素131・セシウム134PPM。周辺の作物はすべて放射能に汚染されたが、住民たちは、食糧難でそれを食べざるを得ない状況で、世界中に動揺が走った大事件である。

そんな時、救世主、のごとく注目を集めた本があった。長崎原爆当時からの長崎市内・聖フランシスコ病院、秋月医師の本に放射能汚染から身を守る実体験から「みそ」の効力が書いてあった。

秋月医師は昭和20年、長崎原爆で病院勤務中被爆した。その病院がたまたまミソとショウユとワカメが大量に保存してあった。食糧不足のおり毎日ワカメの味噌汁を飲んでいたためか、患者と医師、従業員に原爆症が出なかったことが評判となり、たちまち近隣諸国に広まった。

チェノブイリ原発事故前後のミソの輸出量の比較をすると明らかに、ベルギ-・ドイツ・オランダ・イギリス・フランスなど欧州で増加。特にベルギ-は39トンから150トンと輸出量が増加している。

「ミソ」は人体細胞にとって必要な、特に良質の油脂とミネラルの栄養供給源である。毎日の食物中の見えない極微量な放射能害を一部防御してくれるのである。

この一部の防御が人間の健康保持、有害物質を排除し代謝活性を高める、また生死の境において体生命力に極めて重要なことである。http://www.nowden.co.jp/info/tips/infobox017.html より


 醤油も本醸造のものはデトックス効果が高いという最近の研究があるそうです。


 私たちの長い伝統が生んだ食品の持つ本物の力は、外来語の”ロハス”や”スローフード”の言葉より先に日本人が作り上げてきた最高の世界に誇ることができる食材です。どこかに、日本人ほど自分の伝統的な食生活を簡単に変えてしまった民族はいないと書いていたことを思い出しましたが、小さな村にこんなに美味しいものを、まじめに作っているところがあることを知ることができ、しかも、そこが、私の母の縁あるところであることに、うれしさと誇りを感じます。


 またまた、コンピューターの不具合が生じ、今回、すべて初期化、再生してみました。機嫌を直してくれることを願っています。