yomogi よもぎ(http://www.hana300 )より


 「春苦(にが)味、夏は酢の物、秋辛み、冬は油と、心して食え」食べ物に関する諺のひとつです。四季がはっきりしているこの国では、その時期に採れる者で健康を維持していく知恵が育まれてきました。春の苦みは、身体の浄化作用を促します。


 この季節になると、手軽に見付け採取できる代表が蓬(よもぎ)です。心地よい香りは、和菓子、天ぷら、魚の練り物などなど香りを楽しむ食材として他に抜きんでています。


 今、私は、去年摘んだよもぎを干して作ったお茶を飲みながらこのページを作っています。よもぎの効能を読みながら。


 ヨモギの数ある有効成分のなかで、まず一番にあげるべきは良質の葉緑素(クロロフィル)です。葉緑素は浄血、増血、殺菌・制菌、抹消血管の拡張作用、新陳代謝の促進、抗アレルギー作用、脱臭など多くの効果が評価されています。最近では、免疫力や発ガン抑制の作用についても有望視されています。そのうえ、ヨモギの葉緑素は他の植物と比べて、その効果がより迅速でしかも強力です。また体内で細胞膜が容易に分解されるので、消化吸収もよいなどのたいへん優れた特徴をももっています。


 

 風呂に入れると、体が温まり、肌もすべすべしてくる。

 カゼや咳の出る時には、煎じて飲めば治る。毎日お茶代わりに飲めば、カゼもひかずに丈夫になる。

 生の葉をもんで切り傷につけると、血がすぐに止まる。

 食あたりや下痢の時は、絞り汁を飲むとよい。絞り汁は、熱冷ましや虫下しにもなる。

 血をきれいにし、血行をよくするのでオンナヤマイ(婦人病)などによく効く。

 ヨモギを入れると、食べ物が傷まず、長持ちする。


 食品成分表を見ると、ビタミン類、微量栄養素も豊富だから、様々な効能が言い伝えられ、人々に重宝されているのは、もっともだと思います。


 私の友人は、ほくろによもぎの葉を揉んで貼り、毎日取り替えていたら、ほくろが薄くなったと言います。強い浄化作用を利用したのでしょう。


 一条ふみさんの「草と野菜の常備薬」の冒頭はよもぎです。糖尿病が治った話や切り傷の血止め、モグサの話など楽しい読み口で書かれています。


 そのモグサは、お灸の時に使う意外に、火傷をしたときに、モグサを貼っておくと跡が残らないと言います。家庭の常備薬の中に入れておくと、役立つかも知れません。


 葉をもんで切り傷につけると、血がすぐに止まると言うよもぎの効能で思い出しました。

 以前、不注意から、足の親指の爪を剥がしたことがあります。もう僅かしかくっついていません。「生爪を剥がす」と言うのは、拷問になるくらい痛いものです。しかも血が止まりません。不思議です。しばらくすると、キット、脳内麻薬が働いて、痛みは我慢できるまでになりましたが、血が止まりません。ふと、「血止め草!」と思い出し、庭で、一般にカタバミとよもぎが確かその役目をしてくれるのでは?と摘んで、葉を揉み、詰めの上から貼り、しばらくすると、血が止まりました。


 おもむろに、医者に出かけました。足を使うと痛いので、草鞋を履いて、親指には草の葉をはって、血のにじんだ包帯を巻いていった姿をみた医者は、ジーット私の顔ををしばらく眺めていました。痛くって必死だったのですが・・・・。今では、私の笑える想い出です。 

 


一条 ふみ
一条ふみさんの自分で治す草と野菜の常備薬