ユトリロの切手 ユトリロ展(フランス1983年の切手「ラパン・アジル」1912頃)


没後50年と言うことでフランスの画家、モーリス・ユトリロ展が、大阪に来たので見に行きました。


 パンフレットによると


 モンマルトルを中心に、詩情あふれるパリの風景を描いたモーリス・ユトリロ(1883~1955)。日本で最も人気のある画家の一人です。父を知らず、奔放な母の愛情を一生求め続けたユトリロ。孤独を埋めるかのように絵を描き続けたドラマティックな人生が、哀愁漂う作品とあいまって、多くの人の共感を呼ぶでしょう。1928年にはレジオン・ドヌール勲章を受章し、フランスを代表する画家になりました。今回、没後50年に当たり、国内外の初期から、晩年までの作品80点を・・・・・・ と紹介されていました。


 母親シュザンヌ・ヴァラドンも有名な画家であり、また、ロートレックやルノワールなどのモデルでもありました。ユトリロは、10代でアルコール中毒になり、精神病院に入ったり出たりの中で、治療にと医師に進められて絵を描き始めました。母を求め母に気に入られたいという願いが強く働いたのだと言われていますが、私そうだと思いました。


 展示された作品の中で、彼の「白の時代」と呼ばれる、精神病院に入退院を繰り返した時代の絵が最も深く、強い印象を与えました。彼は、一杯の酒を飲むために描き、精神病院の鉄格子の中で、絵はがきを見ながら、白い色の彼の工夫を込めて描いた絵には、人の姿は有りません。心の寂しさや深い悲しみが、描かれた景色の中に、くすんだような白に込められているのがじーんと伝わってきます。


 後の作品は、彼を取り巻く母や義父のお金のために描かれた作品のようで、「白の時代」に比べると、私には素晴らしいとは言えませんでした。


 彼の、54歳の時の写真が飾られていました。孤独がその写真を覆っているようで、写真を見ていて悲しくなって、涙が出そうでした。


ナポレオン ナポレオンとヴェルサイユ展(アルプス越えのナポレオン)


 間をおかないで、ナポレオンとヴェルサイユ展に行きました。

 ナポレオン・ボナパルドという皇帝に登り詰めた人物と時代、皇帝となったナポレオンが住んだヴェルサイユ宮殿。彼の姿も、その住まいも豪華と言うコトバに象徴された展覧会でした。


 そんな展示品の中で、全く異なる一枚の絵は、死刑になる前、監獄の壁を背にした、清らかに美しいマリー・アントワネットの全ての飾りを取り去った後の、精神が昇華した内面が映し出されていました。


 アルプス越えの絵画で彼が乗っているのは白馬だが、実際に乗っていたのはロバだった(ウィキペディア(Wikipedia ))というダヴィットの作品が、この展覧会の全てを現しているように思いました。


初めて知ったことですが、絵画の著作権は、第二次世界大戦の敗戦国である日本は、ペナルティーとして、10年長い60年だそうです。まだ、そんなものがあるんだと、知ったのが、この展覧会を、ブログに載せるときであったことが、私には皮肉に面白かったです。(ツエ)