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その後ジューダスはカイル達の後に続きアイグレッテにたどり着く
途中ハーメンツヴァレーに架かっている橋が落ち、仕方なく谷底を歩く羽目になったがそれ程苦にはならなかった
アイグレッテに着きカイル達は宿に行くがジューダスはその近くのベンチに腰掛ける
「・・・・・・・・」
ジューダスは途中のカイル達の行動を思い返していた
魔物との戦いでは何回か手を貸そうと見守っていたが堪えた
(・・・・・何をしているんだろうな僕は)
まるで保護者みたいだなど自虐する
それを見てシャルティエが話しかける
「どうしたんです?」
「歳を取ると大変だ、とな・・・・・」
「?」
シャルティエはジューダスの意図が掴めず困惑する
その時広場のほうが騒がしくなった
「おい!エルレイン様がお目にかかれるぞ!」
「ホントに!」
「一度お目にかかりたかったのよ~」
「聖女様~!」
回りからそんな声が響き渡る
ジューダスは内心動揺していた
(なんのつもりだエルレイン・・・・・?)
大体予想はついている
奇跡の力とやらで信者を獲得し自分の信仰を集めるためだ
その時、ふとカイル達が目に止まった
慌てて人混みを避け遠く離れる
「・・・・・・・」
その時、群衆が一斉にざわついた
どうやらエルレインが現れたようだった
「エルレイン・・・・・」
遠くなので傍目にしか見えなかったがどうやら奇跡を起こしていると人々の反応をみて理解した
車椅子で生活していた子供が走り回ったり視力がなくなった老人が治っていたりと、本当に奇跡を起こしていたのだ
「レンズ・・・・・・か?」
だが自分の知っている範囲ではそれは不可能だった
仮にソーディアンを用いたとしてもせいぜい外的治療は出来ても、あそこまでの回復はできない
有り得ないのだ
「本当に神の遣いでしょうか・・・・・」
「死者を甦えらせたりと・・・・・全く理解できないな」
「はい・・・・・」
その時、大声が響いた
しかも音源は自分の知っている人物
「そのペンダントを返せ!それはあの子のだ!」
カイルだった
ジューダスは振り向き、溜息を吐く
「ちっ・・・・・あの馬鹿・・・」
ジューダスが駆けようとしたとき、ロニがカイルを抑えていた
ロニは神団員とエルレインに必死に言い繕っていたようだった
しばらくその様子を見ていたジューダスはホッとする
もしロニがいなければ護衛の神団員に何をされるか・・・・・
どうやらエルレインは去って行ったようなのか人々が散り散りになる
その後、しばらくはカイル達の動向を伺っていたがふと考えていた
(もし、カイルが僕の素性を知ったら・・・・・?)
世間的には既に死んだ卑劣な裏切り者、リオン・マグナス
そんな彼を受け入れてくれるのかという不安
かつてのスタンのように
(あいつはスタンじゃない・・・・・だが・・・)
もしかしたらという期待もあるかと思う
その時カイル達が宿から出てきた
こっそり近づき話を伺う
「じゃあ早く神殿に行こうよ!その抜け道教えてよロニ!」
「わかったから急かすなよカイル!?」
なにやら例の少女がストレイライズ大神殿にいるという
だが今日は参拝できないと門前払いされ、神団員にのみ知っている隠し通路を使うという
ジューダスは急ぎ二人の後を追った
無事通路を抜け、神殿にたどり着く
カイル達は先に進んでいたので気付かれないように後をつけた
しかし突然カイル達は神殿に入って行く
ジューダスは近くの窓から中を覗いて理解した
神殿にはカイル達とその目的の少女
それに世界を救った四英雄の一人、フィリア・フィリスがいた
そしてもう一人
巨大な体をした男がいた
青い長髪に丸太のような太い肢体
厳つい顔
手には巨大な戦斧が握られていた
斧には血が付着している
どうやらフィリアの血らしかった
その後、その男がカイル達を襲った
必死に交戦しているが押されている
やられるのは時間の問題だった
その時、ロニに強烈なボディーブローが入る
ロニは5m近く吹き飛び、呻いた
「ぐぅ・・・・・」
「ロニ!」
「戦いの最中によそ見はいかんぞ、小僧!」
そこに男の斧がカイルに襲いかかる
剣で防ぐも力の違いに弾き飛ばされた
「くそ・・・・・」
「残念だったな?英雄になれなくて?くくくっ・・・・」
男がカイルに斧を振り落とそうとする
ジューダスは軽く舌打ちし
神殿に入った
「あの世で悔いるのだな、俺の前で英雄と言った事をな!」
「くっ!」
カイルが諦めから目を閉じる
もうダメか・・・・・
と思われた瞬間、詠唱が聞こえた
この声、まさか・・・・・・・
「・・・・・ウィンドスラッシュ!」
「何!?ぐはっ!」
風の刃が男を襲う
その間にさらなる一撃を入れた
「・・・・・千裂虚光閃!」
ジューダスが短剣で男の斧を打ち上げる
無防備な上半身に細剣で無数の突きを行う
男は堪らず膝をついた
「ぬぅ・・・・・!」
「今だ!カイル!!」
ジューダスはカイルに落ちた剣を手渡す
男に向かい、カイルは渾身の一撃を放った
「だあぁぁぁぁぁ!!!」
「ぐぼぁ!」
男はよろめきながらも立ち上がる
そして背後に黒い球体が突如出現し、男を飲み込み始める
「貴様ら、カイルとロニと呼びあっていたな・・・・・覚えておくぞ!我が名はバルバトス・ゲーティア!英雄を狩る者だ、再び会うだろう!その時には貴様の最後だ!!」
そう告げると男・・・・・バルバトスは消えた
幸い、少女のおかげでフィリアは一命を取り留めた
しばらくは何気ない談笑を楽しみ、ジューダスは神殿を後にした
その背後からカイル達が駆け寄る
「ジューダス~待ってよ~」
「・・・・・・・」
ジューダスは足を止める
「なんだ・・・・・?」
「ねぇ!よかったら俺達と一緒に行こうよ!」
カイルの思いがけないない発言にジューダスは戸惑う
「何・・・・・!?」
「だってジューダス、強くて頼りになるからさ!一緒にいて楽しそうだし!」
(楽しい・・・・・僕が?)
そう思われたのは初めてだったので内心は動揺する
カイルは続ける
「それに、俺はジューダスの事もっと知りたい!だから一緒に旅がしたいんだ!」
「・・・・・止めておけ、僕を仲間にするとロクな目にあわないぞ」
そう、こんな裏切り者を仲間になど・・・・・
しかし、カイルは予想もしない事を言った
「関係ないよ!それに、英雄には困難が付き物だって!」
(また英雄か・・・・・ホントにコイツは・・・・・)
と呆れ果てていた
ロニと少女・・・・・リアラが続ける
「私も、ジューダスさんがいてくれたら心強いです、一緒に来てくれませんか?」
リアラが言った
カイルはロニに促した
「ロニだってそうだろ?」
「わ~ったよ、たしかに大人数のほうが楽しいしな」
「ね?だから一緒に行こうよ、ジューダス!」
ジューダスはしばし沈黙する
答えは出ている
だがこんな自分を本当に受け入れてくれるのかという不安があった
それを拭い去るように言った
「やれやれ・・・・・どうなっても知らんぞ」
「やった!」
それを肯定とカイルはとり、喜んでいた
そしてジューダスに向き直る
「よろしくね、ジューダス!」
「よろしくな」
「よろしくお願いします、ジューダスさん」
三人がジューダスに改めて挨拶した
「リアラ、ジューダスでいい」
「うん、わかった♪」
と軽いやり取りをしたあと、一行は近くの港
アイグレッテ港に行く事になった
その道中
「しかし、あのバルバトスって奴ホントにやばかったな・・・・・」
ふとロニが呟いた
カイルが続ける
「うん、強かったね・・・・・」
「あぁ、この仮面ストーカーがいなかったら本当にやられてたな」
ピクッとジューダスのこめかみが動いた
「仮面ストーカーとは僕の事か・・・・・?変なあだ名を付けるんじゃない!」
珍しくジューダスが怒りを表情にだす
カイルが助け舟にと続けた
「まぁまぁ、俺達だって脱獄犯なわけだし・・・ストーカーだからって気にすることないって♪」
カイルなりのフォローのつもりなのかやや笑い顔だった
しかしジューダスはますます顔をしかめる
「・・・・・それはフォローのつもりか?」
そんなやり取りをしながら一行はアイグレッテ港に歩いていった
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第二章へ続く