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「やっと落ち着いたか・・・・・」
そう彼は言う
先程まで魔物の群れと交戦していたのだ
彼
かつては世界を救った英雄達を裏切り、卑劣な裏切り者の烙印を押された彼
リオン・マグナス
彼は神の遣いを名乗るエルレインという女性により再び命を与えられた
しかし彼は彼女の誘いを断り逃亡した
幸い追っ手はつけられていない
「大丈夫ですか坊ちゃん?」
「あぁ・・・・・」
彼に話かけるソーディアン・シャルティエ
マスターと共に再びこの世に姿を現せた剣
「だが代わりの剣が欲しいところだな・・・・・」
言うと彼は短剣を取り出す
ボロボロに錆び、先程の戦いで刃も欠けていた
シャルティエは無事だが先の騒乱でソーディアンは失われたとされている
不用意に抜きたくはなかった
「近くに町があればいいんですが・・・・・」
「ここから近いのは・・・・・」
そう言うと彼は地図を取り出す
現代に甦り、しばらくは今の世界についての話をエルレインに聞かされていたので地理や情報に関しては概ね知っていた
「・・・・・ダリルシェイドか」
そこはかつて騒乱前には世界一繁栄していたセインガルドの城下街
しかし騒乱時に多大な被害を受け
18年経った今でも復興作業は続いている
「ですが今のダリルシェイドは・・・・・」
「だが近いのはここしかないからしょうがないだろう」
「そうですね・・・・・」
彼とシャルティエはそう話し合い
再び歩き初めた
しばらくして彼はいきなり話かけられた
「そこの兄ちゃん、ちょっといいかい?」
「・・・・・なんだ」
その男は自らを行商人と名乗り商売を初めてきた
「旅をしてるならこの野営道具はいるかい?あとこの砥石も付けるよ?」
「剣の類はあるか?」
「ちょっと待ってよ・・・・・」
行商人は武器が入っている袋を取り出し彼に手渡した
「・・・・・これとこれを」
「はい、毎度♪」
「あと野営道具一式と砥石を」
「はいはい・・・・・と」
彼は装飾が施された細身の剣と短剣、野営道具一式と砥石を購入した
金はほぼ全て使ってしまったが仕方がない
「・・・・・これは?」
彼は妙な物を見つけた
それは竜族の頭骨を加工した仮面だった
頭部には空色の羽があしらっている
「あぁ~、それ仕入れたのはいいけど中々売れなくてね~」
「・・・・・譲ってくれないか?」
「ははは、ほんとかい?よし!サービスして譲ってやるよ!」
「すまない」
そして荷物を片付け行商人は行った
「坊ちゃん、そんなものどうするんですか?」
「・・・・・・・」
彼はおもむろにその仮面を被った
「・・・・・変か?」
「少しですけど・・・・・」
シャルティエは笑いを堪えている
そして付け加えた
「でも中々様になってますよ」
「褒め言葉として受け取ってやる・・・・・」
「お願いしますね」
「それに顔を隠すのにもいいだろう」
「それもそうですね」
「じゃあ行くか、シャル」
「はい、坊ちゃん」
「坊ちゃんはよせ・・・・・」
「気にしないでくださいよ♪」
「全く・・・・・」
そして彼とシャルティエはダリルシェイドへ向け歩き出した
かつて栄えた町の片隅にある慣れ親しんだ場所で
一つの出会いがあることを
この時彼はまだ知らなかった・・・・・
第一章に続く
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「やっと落ち着いたか・・・・・」
そう彼は言う
先程まで魔物の群れと交戦していたのだ
彼
かつては世界を救った英雄達を裏切り、卑劣な裏切り者の烙印を押された彼
リオン・マグナス
彼は神の遣いを名乗るエルレインという女性により再び命を与えられた
しかし彼は彼女の誘いを断り逃亡した
幸い追っ手はつけられていない
「大丈夫ですか坊ちゃん?」
「あぁ・・・・・」
彼に話かけるソーディアン・シャルティエ
マスターと共に再びこの世に姿を現せた剣
「だが代わりの剣が欲しいところだな・・・・・」
言うと彼は短剣を取り出す
ボロボロに錆び、先程の戦いで刃も欠けていた
シャルティエは無事だが先の騒乱でソーディアンは失われたとされている
不用意に抜きたくはなかった
「近くに町があればいいんですが・・・・・」
「ここから近いのは・・・・・」
そう言うと彼は地図を取り出す
現代に甦り、しばらくは今の世界についての話をエルレインに聞かされていたので地理や情報に関しては概ね知っていた
「・・・・・ダリルシェイドか」
そこはかつて騒乱前には世界一繁栄していたセインガルドの城下街
しかし騒乱時に多大な被害を受け
18年経った今でも復興作業は続いている
「ですが今のダリルシェイドは・・・・・」
「だが近いのはここしかないからしょうがないだろう」
「そうですね・・・・・」
彼とシャルティエはそう話し合い
再び歩き初めた
しばらくして彼はいきなり話かけられた
「そこの兄ちゃん、ちょっといいかい?」
「・・・・・なんだ」
その男は自らを行商人と名乗り商売を初めてきた
「旅をしてるならこの野営道具はいるかい?あとこの砥石も付けるよ?」
「剣の類はあるか?」
「ちょっと待ってよ・・・・・」
行商人は武器が入っている袋を取り出し彼に手渡した
「・・・・・これとこれを」
「はい、毎度♪」
「あと野営道具一式と砥石を」
「はいはい・・・・・と」
彼は装飾が施された細身の剣と短剣、野営道具一式と砥石を購入した
金はほぼ全て使ってしまったが仕方がない
「・・・・・これは?」
彼は妙な物を見つけた
それは竜族の頭骨を加工した仮面だった
頭部には空色の羽があしらっている
「あぁ~、それ仕入れたのはいいけど中々売れなくてね~」
「・・・・・譲ってくれないか?」
「ははは、ほんとかい?よし!サービスして譲ってやるよ!」
「すまない」
そして荷物を片付け行商人は行った
「坊ちゃん、そんなものどうするんですか?」
「・・・・・・・」
彼はおもむろにその仮面を被った
「・・・・・変か?」
「少しですけど・・・・・」
シャルティエは笑いを堪えている
そして付け加えた
「でも中々様になってますよ」
「褒め言葉として受け取ってやる・・・・・」
「お願いしますね」
「それに顔を隠すのにもいいだろう」
「それもそうですね」
「じゃあ行くか、シャル」
「はい、坊ちゃん」
「坊ちゃんはよせ・・・・・」
「気にしないでくださいよ♪」
「全く・・・・・」
そして彼とシャルティエはダリルシェイドへ向け歩き出した
かつて栄えた町の片隅にある慣れ親しんだ場所で
一つの出会いがあることを
この時彼はまだ知らなかった・・・・・
第一章に続く
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