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「・・・・・ここは?」

リオンが目を覚ますと見慣れない場所に倒れていた
そこは箱が積まれていたり荷物が雑多としている
どうやら物置部屋のようだった

「坊ちゃん!気が付きましたか!」

「シャル・・・、ここは?」

「あのあと坊ちゃんは気を失ってこの部屋に閉じ込められたんです」

「そうか・・・・・ぐっ」

リオンは体を起こそうとしたが全身が痛んだ
どうやらそのまま運ばれたらしく所々傷がついていた

「・・・・・ヒール!」
言うと体を淡い光が包む
すると傷が癒えていくが簡易的なものでしかないためまだ全身が痛んだ

「大丈夫ですか坊ちゃん?」

「なんとかな・・・・・」
今度こそ立ち上がり全体を見回す
部屋は閉塞的で窓の類はない
入口は外側からの施錠なため開くことはできなかった

「くそっ!」

「一体いつまで放置なのでしょうね・・・あれから二、三日経ちますし」

どうやら長いこと気絶していたと実感する
血が固まっていたので予想はしていたが

「待つしかないのか・・・・・」
「すみません、僕の力不足で・・・・・」

「気にするな、シャルのせいじゃない」

リオンはその場に腰を落とす
幸い食べ物は取られていなかったので懐から赤いグミを取り出し口に運ぶ
酸っぱい味が口に広がり疲労がとれた気がする

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

二人の間には沈黙が広がる
言葉が見つからずただ思案するのみ
そのときリオンが口を開いた

「ヒューゴの奴・・・何故ベルセリオスを・・・・・」

「そうですね・・・・・全く気配はしていなかったのですが」

「気付いてはいたのか?」

「いえ・・・・・目覚めていたならずっと前に気付くはずですから」

「そうか・・・・・」

「・・・・・これからどうするんです?」

「決まっている、ヒューゴを・・・・・殺す」

そう
彼女を、マリアンを追い込んだ奴を・・・・・
その時扉が開いた
そこにはヒューゴの姿がある

「・・・・・気が付いたかね」

「ヒューゴ・・・・・!」

「安心しろ、マリアンは生きている」

「何・・・・・!?」

「幸いなことに・・・・・な」

「そうか・・・・・」

生きていた
彼女が、もう会えないと思っていた彼女が・・・・・
しかし無情にもヒューゴの声が響く

「新しい仕事だリオン」

「何!?」




案内されるやそこは巨大なエレベーターがあった
ヒューゴに催促されるまま搭乗する

「・・・どうやらあの忌ま忌ましいソーディアンマスターどもが我々を嗅ぎ付けたようだ」

(ソーディアンマスター・・・・・スタンたちか)

さすがに自分が失踪して長い時間が経つ
だが彼らが追ってくるととは考えていなかった

「僕に片付けて欲しいと・・・・・?」

「必要があればな」

ヒューゴの声には一切の躊躇いがない
まるで予想していたような口ぶりだった

「・・・・・・」

「いやなら構わんがな」

「そんなこと言っていないだろう・・・・・」

リオンはそう答える
断ればどうなるかわかっているからだ

「そうか」

「ふん・・・・・」

そして最下層に着いた
そこは天然の鍾乳洞のような空間だった

リオンはヒューゴ達の後に続き進む
どうやら外に出るようだった
その時後ろから聞き慣れた声がした

「・・・・・リオン?リオン!」
それは自分のことを友達と言ってきた金髪に白い鎧を纏う青年

ソーディアン・ディムロスのマスター、スタン・エルロンと
他のソーディアンマスター
ルーティ・カトレット、フィリア・フィリス、ウッドロウ・ケルヴィンだった・・・・・

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