- 数字の書かれたボールが入った箱があります。
- 箱から取り出したボールに書かれている数字が得点になります。
- 再挑戦する際には取り出したボールを元に戻します。
というゲームがあります。
このゲームを行うとき、AとBのどちらの箱を使いたいですか?
当然、Bの箱だと思います。
Bの方が高得点のボールがたくさん入っているからです。
Aの箱でも8点以上が出ることはありますが、その確率は低いです。
10点は出ることがないですし、大半は5~7点になることでしょう。
一方、Bの箱であれば6点以下が出ることは滅多にありません。
大半は7~9点で、10点だって出る可能性があります。
このゲームで良い記録を出す秘訣は2つ。
1つは、何度も何度も挑戦することです。
もう1つは、AからBの箱に変えるように、箱の中身をより良くすることです。
さて、そろばんの話です。
そろばんの練習には大きく2種類の練習があります。
「記録を狙う練習」と「力を上げる練習」です。
「記録を狙う練習」とは、制限時間内に何問正解できるかといったテストのような練習です。
冒頭のゲームで言えば、箱からボールを取り出すことに当たります。
「力を上げる練習」とは、間違い直しのように自分の苦手なところを克服するような練習です。
冒頭の話で言えば、箱の中身をより良いボールに替える作業に当たります。
多くのメンバーは「記録を狙う練習」の方が好きです。
ゲームのような練習で楽しいからです。
ですが、それだけやっていると箱の中身はあまり変わりません。
だから、なかなかいい点を出せるようになりません。
すると、楽しかったゲームがつまらないゲームに変わっていきます。
多くのメンバーは「力を上げる練習」が嫌いです。
基礎練習のように地味で根気がいるからです。
ですが、それにしっかり取り組むと箱の中身がどんどん良くなります。
だから、いい点を取りやすくなります。
すると、ゲームがもっと楽しくなります。
中には「記録を狙う練習」の方を避けてしまうメンバーもいます。
失敗することを必要以上に恐れてしまっているからです。
ですが、失敗しても罰ゲームはありません。
そして、何度でも挑戦できるゲームです。
失敗なんて気にする必要がないんです。
上手になるにはどちらか一方の練習だけでは足りず、両方の練習を交互に行っていくことが大切になります。
ゲームを楽しんで上手になるために、「記録を狙う練習」と「力を上げる練習」にバランスよく取り組んでいってもらいたいと思います。
ということをより詳しく、「上達の手引き」-「上手になれる練習」としてメンバー用サイトに追加しておきました。