前回は私が思う「そろばんによって向上が期待できる基礎能力」として以下の3つを挙げさせて頂きました。
1)集中力
2)暗算力
3)イメージする力
今回は1)集中力について、もう少し掘り下げてみたいと思います。
物事をこなす上で、「集中力が高い方が質の高いことを効率的に行える」という点には異論がないと思います。質が高いということは「ミスが少なく、より良いものができる」ということです。効率的ということは「同じ時間によりたくさんのことができる」、または「同じことをより短い時間でできる」ということになります。
つまり、集中力を上げることで、そろばんに限らず勉強やスポーツなど様々な場面において、物事の覚え/理解が良くなり、より高いレベルの成果を発揮することが期待できます。
集中力が高い人は、例えば勉強であれば、
集中力が高い → 覚えが早い → 時間に余裕が生まれる → よりたくさんのことを覚えられる → 勉強が楽しい → やる気がでる → 集中力が更に上がる
という様に、良い循環が生まれやすいです。
逆に集中力が無い人は、
集中力がない → 覚えられない → 何度も繰り返す → 苦痛に感じる → 集中力が更に下がる
という様に負のスパイラルに陥りがちです。
最悪なのは結局分からずに諦めた場合、本人は何度も努力したけど駄目だったと感じている分、再度チャレンジしようという気が起きづらくなってしまうでしょう。
そろばんをすると集中力がつくというのは、日本珠算連盟のHPの説明が具体的で分かりやすいと思います。
http://www.shuzan.jp/gakushu/koyo/
<日本珠算連盟のHPより抜粋>
ソロバンの検定試験は制限時間に規定問題数を正解しなければなりません。1級のかけ算を例にとりますと、6桁×5桁の問題を計算する過程において、100回以上の指先操作を要求されます。計算中は、かけ算九九を30回唱え、11桁(100億)の答えの記入が許されます。その間、一度のミスも許されません。この、問題を20回繰り返すと規定問題数を計算し終えたことになります。さて、指先の動きは、かけ算種目だけで、なんと2000回以上を数えます。
日商検定の1級では上記のかけ算20問に加え、わり算20問、見取算(加減算)10問、計50問を30分で解く必要があります。他のことを考えたり、ボーっとしている余裕はありません。(上段者以外には)
試験に合格するには集中力が必要であり、日々の練習の中でも当然集中することが要求されてくるのです。
以上、私が考える「そろばんの効用 1)集中力」でした。