景気減速の前後は必ず膿が噴出する
億ションがバカ売れ「ミニバブルの様相」
投資用マンションブームが収まらず、首都圏では1億円を超す「億ション」が飛ぶように売れ、それを支えるアパート・マンション(アパマン)ローンが急増している。日銀は4月に公表したレポートで「ミニバブルの様相」と警鐘をならしたが、地元で融資が伸びない地方銀行が”越境”として都心に進出し、旺盛な資金需要に応えている。思い出されるのが、スルガ銀行のかぼちゃの馬車事件だ。
いまもなお残るアパマン融資問題
副収入を得たい会社員や自営業者を狙い、不動産業者「スマートデイズ」が一括借り上げを謳って投資家を募集。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を販売したが、'18年4月にスマートデイズは計画したかのように経営破綻。その詐欺商法にスルガ銀行が加担していたとして代物弁済(物件とローンを相殺)して終了した。だが、スルガ銀行にはアパマン融資問題も残っている。投資家は被害者同盟を立ち上げ、今もスルガ銀行と交渉中。被害者を支援するリボーン代表の冨谷皐介氏は、「不正な融資を通すため銀行が組織的に関与していたのに、不正だけど不法じゃないと現経営陣は開き直っている」と批判する。バブルは必ず崩壊し、後には過重債務を背負った投資家が残される。地銀主導の投資マンションブームは「いつか来た道」ではないだろうか。
