墨色が言った。

 

俺は、雲一つない澄み渡った青空のように綺麗だと。

いつでも…いつまでも見ていたいと。

愛おしい、愛おしい…とずっと、この青を見上げていた。

 

でも、その色を映すのは俺じゃない。

好きよ、大好き…と、囁かれていても。俺はその色じゃない。

 

鳶色が言った。

 

俺は夕暮れ時のように昏く、見たいものが、闇に溶けてしまうと。

私は、青空が見たいの!あぁ…どんどんあの綺麗な青が見えなくなっていく…!

返して…あの人を返して!と叫びながら、この紫を見上げていた。

 

あぁ、これが本来の俺なのに。

返して…返して…と、泣きじゃくられていても。それを俺は持っていない。

 

あぁ…

誰も俺を見てくれない。

躑躅色も、漆黒も…

誰も、誰も…

俺色を綺麗だと。

俺を、欲してくれない。

 

誰か、欲しいと言ってくれ。

欲しい…欲しいと…

美しいとも、気味が悪いと言われるこの俺を

 

誰か…

だれか…

ダレカ…

 

「その輝きを、僕だけのものにしたかった…」

 

そう言ったのは榛色で。

その言葉だけで、言いようのない幸福感に体が包み込まれる。

 

あぁ…いるんだ。

この忌み嫌われた色を好きだと言ってくれる色が。

綺麗だと言ってくれる色が。

榛色をじっと見つめた。大地のような柔らかい茶色が俺を見る。

 

茶色の中に緑が見えた。これからいろいろな花が咲き始めるんだろうか?

俺が、紫がそこに咲いても良いのだろうか…?

 

でも、自分のものにしたいと望むのあらば。

 

「いいぜ、この瞳…何なら全部、アンタにくれてやるよ」

 

いっその事、この紫を消し去るように。

 

全部、全部…アンタの色に染め上げてくれ。

 

もっと近くで…と手を伸ばし頬を寄せる。

そのまま、一つになるように…俺は榛色を抱き寄せた。

 

 

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しゅうーりょー!

 

またまた相方様の素敵SSに感化されて、私も書いてみました。

そもそもツイッターBotでアメジストネタがあって、ちょこっと呟いてみたら…いやはや、有難うございます有難うございます。

まぁ、アメジストはどこへやら。色ネタになっていますが…まぁ、細かいことは気にするな。と、うちの鶯が言ってました、うん。

 

久々の二人きり…このまま幸せになって欲しいですなぁ…

もちろん、従兄弟なあやつも。

今は、肖人一辺倒なのでこの先、ずんずん言ってくれる、来てくれるお方がいればワンチャン?

まぁ、二人を見守る仲介人立場でも良いかなぁ…と思いますけどね。

自分は誰も愛せないから…せめて大好きな弟達が幸せであれば、それでいい。

みたいな。

 

もう一つ、もう二度と結婚しないと誓う意味で白い喪服を着るというツイを見てすぐさま三忠を想像した背後なのでした…