アンタは俺の光だ。
あの聖なる日に。
あの時からきっと俺はアンタに心奪われていたんだと思う。
出会った頃は、色々な反応を見たくて。
わざとからかって、怒らせて…
今思えばなんと子供っぽいことをしていたんだと思う。
、
でも、あんたが大好きなんだ。
困った顔も、怒った顔も、恥ずかしそうにはにかんだ笑顔も。
みんなみんな、あんたの総てが
大好きなんだ。
君は僕の…大事な人。
あの、桜舞う日に。
あの時からきっと、僕は君に興味を抱いていたんだと思う。
出会った頃は、なかなか警戒心を解いてくれなくて。
それが面白くてちょっとからかってみたり、たまにモノでつってみたり…
今思えば、ちょっと…意地悪だったかな。と思う。
でも、君の事は好きだよ。そしてちょっとだけ羨ましい、かな?
警戒してるくせに、僕にも笑顔を見せてくれて。少しずつ心を開いてくれて。
ありがとう。
僕のもう一人の弟くん。
鼻歌が聞こえる部屋。
ふふーふん。と誕生日の歌を口ずさむ、ツンツン茶髪の青年は、椅子を脚立替わりに壁に輪っか飾りを連ね、飾り付けている。
テーブルには、注文したのかオードブルが所狭しと並べられ、真ん中にはクリームと苺でデコレーションされたケーキ…それを眺め、黒髪の青年はうんうんと頷いた。
「そっちも大丈夫そう?」
「ちょっと…ん、これで完了だ」
テープで固定出来たのを確認すると椅子から降り、こちらも満足そうに頷いた。
「喜んで、くれるといいなぁ…」
「くれるよ、きっと。君が練りに練った計画だもん」
「アンタが来る…のは計画外だったんだけど?」
じろりと茶髪が黒髪を睨む。
睨まれた本には、怯むことなく。むしろほけほけと笑っている。二人にとっては通常運転。と、行ったところ。はぁ…と茶髪が息を吐いた。
時計を見れば、夕方六時前…
もうそろそろ、この計画のメインゲストが帰ってくる頃だ
ただいまと同時に聞こえるドアが開く音。
二人はそわそわと、電気を消して定位置につく。
いつもと違う雰囲気に、不審感を含んだ少し高めの声が茶髪の名を呼び、電気をつければ…
ぱん!と軽い破裂音。そして色とりどりの紙吹雪とテープ。
音と色に目を丸くした少年を、二つの笑顔が迎えた。
「イツキ(君)、誕生日おめでとう!!」
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そういえば相方君の誕生日って5月だったよね!?と思い出し、書き出しましたSS。
相馬兄弟のちょっとしたサプライズ誕生日会です。
違っても、今年の誕生日はこんな風に過ごしていたんじゃないかな?ということで…脳内変換お願いします。
久しぶりな創作SSすごく楽しく書かせていただきました。
実は、もう1本。途中のものがあったり…筆が乗れば書き上げたいですね。時系列上、この誕生日でひとしきり騒いだ後…にしてもいいかなぁ。