がん治療に新たな光、最新のメス「スマートメス」。がんの煙を検知して切り取ったかどうか判別
日々進化を続けるがん治療の研究。最先端のツールとして、「スマホ」ならぬ「スマートメス」が開発されてい..........≪続きを読む≫日々進化を続けるがん治療の研究。最先端のツールとして、「スマホ」ならぬ「スマートメス」が開発されています。実用性のほどは、いかに?

【がんの病因究明につながる、女性特有の”働かないX染色体”】

イギリスで研究がすすめられているこのメスは、がん細胞の切除手術の精度を上げ、手術時間の短縮に貢献することが期待されています。

現在のところ、がん細胞を正確に取り切ったかどうか判断するには時間がかかります。医師は、切除した患部を手術室からラボに送り、分析の結果を待たなければなりません。

最高の設備が整った病院でも、この間、30分。患者は患部を開かれたまま横たわっていることになります。がん細胞が残っている可能性があるとなれば、そこからまた手術を再開。医師の判断によっては結果が出る前に手術を進めてしまうケースもあるそうですが、それもやむを得ないというところでしょうか・・・。

通常、がんの切除手術は、患部を焼き切っていくため煙が発生します。最新のメスは、切りながらこの煙を吸い込みます。メスの反対側は冷蔵庫大の分析装置につながっていて、この煙の成分を分析します。

そして切った部分ががん細胞か否かを即座に判断することができるというのです!つまり、医師は手術をしながら、がん細胞を全て取り切ったかどうか知ることができるというわけ。

このメスが実用化されれば、手術時間が短縮されるので、患者の身体への負担は小さくなります。また、手術の精度が上がれば、再発のリスクを抑えることが可能になります。

実際に、2010年以降、100を超える現場で試験的に使用されてきましたが、がん細胞を正確に判別できているといいます。

全てのケースに利用できるわけではなく、分析精度の向上は求められています。新たな技術の躍進、期待せずにはいられません。