喉がからからに渇いていた。その日は、空気がとても乾燥していた。バイトの帰り道に自動販売機で、飲み物を買って飲んだ。ふと思い出した。あの日も、こんな日だった。それは学生時代に、部活の帰りだった。

「喉渇かない」

「そうだね。なんか空気が乾燥してるし渇くかも」

二人で、コンビニで飲み物を買って飲んだ。

「進路とか、どうしたい」

「分からないよ」

そう答えた。

大事な事であるけど、本当に分からなかった。

勉強は、好きじゃなかったし、どこかの会社で、就職したいというのもなかった。それから、バイトをしながら生きてきた。喉の渇きは、さっきの自動販売機の飲み物で潤った。

「あれっ久しぶりだね」

「ああ、本当だね」

「元気にしてる」

「まあね。それなりにね」

「そっか。じゃあね。家でパートナーが待ってるから」

行ってしまった。

家に帰ると、夢中になっている作曲をした。誰も知らない、まだこれからを思い描いた。了