小さな頃に家族で見た桜
友達や仲間で見た桜
通りがかりの人と綺麗ですねと見た桜
主人や我が子と見る桜などなど
皆でお花見はいつも笑顔も満開
人をひきつけ笑顔にしてくれる桜
そしてここ数年
桜の咲く時期になると必ず思い出し
連絡をとりあう後輩がいます。
お互いに思い出し、あの時の話をするのです。
数年前 気になっていた患者さんと別れ
私は桜の咲くころ移動になりました
その患者さんは
すでに手のほどこしようがないところまで
きていて。。
食べること、話すこと、自分で歩くこと。。
だんだんと失われ。。
食べたい、話したいと一生懸命
文字盤で訴え続けていた患者さんも
だんだんと文字盤で訴えることも
なくなりかけていました。
天井をじっと見つめ
表情も硬くなっていきました。
そんな時期に私は移動になってしまいました。
そんなある日。。
私が移動して少しした頃
後輩二人がやってきて
あの患者さんのベッドを
渡り廊下までおして、少しだけれど
見える外の桜を見に行ってみたら。。
ギュッて手を握り返してくれたんです
と伝えてくれました
厳しいことや
やるせないことも
本当に多い医療現場の中で
患者さんにも、後輩たちにも、私にも。。
陽だまりをくれた桜の力
この時期になると必ず思いだす
忘れられない桜の力
この事を伝えに来てくれた後輩たちの
あの時の表情も絶対忘れません
そして最近
大好きなお友達たちと見た今年の桜
今年もありがとう。桜さん