関電の「火力再稼動」-最初から再稼働させる意思が全くなかった 電気事業者としての資格を疑う | ねこの小道のブログ

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主に原発と平和運動関係、講演会のご案内のブログです。自分を守り大事な人を守る知識と、一人ひとり本気で考えるきっかけと脱原発に向かう力にしたいと思っています。

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┗■1.関電の「火力再稼動」-最初から再稼働させる意思が

   全くなかった
 │   電気事業者としての資格を疑う
 │   「電力の安定供給に万全を期す」はウソだった
 └────(永野 勇)

私は、東電の共同火力に26年間努めておりました。
 関西電力の宮津火力と多奈川火力の詳細データは、持ちあわせておりません
が私は、テレビを見てあきれたのは、宮津火力と多奈川火力については、最初
から再稼動させる意思が全く無かったと思います。再稼動させる為には、停止
中に各機器の長期保管とその為の最小人数の配置が必要です。ボイラー、ター
ビン、発電機、主要配管、その他の主要機器を内部の錆を防ぐ目的で保管する
必要があります。
 しかし関西電力は、宮津と多奈川については、長期保管作業もせず、運転員
の配置もしていないようです。(外部からの侵入者を防ぐガードマンはいたよ
うですが)
 そうなってくると、はじめから再稼動させないということで進んでいたもの

を、途中から再稼動させるということになった場合、停止期間がどうだったの
かということが大きなファクターになります。10年間位停止していたと聞い
ておりますので、そうなってくると機器の劣化も考えられ、相当な努力をして
も1.5年から2年位はかかるかもしれません。各機器の点検からはじめて、
使用不能機器の発注、材料調達、不良機器の製作、据付・試運転をする必要が
あるからです。
 しかし、関西電力が本当に電気事業者としての自覚を持っていたなら、昨年
の4月から準備が出来たのです。政府がなんと言おうと最終的には原発は再稼
動出来ると考えていたのでそれをやらなかったということでしょう。

次に、ボイラー、タービン、発電機の長期保管方法についてふれます。
ボイラー:窒素封入保管と満水保管(錆び止め剤であるヒドラジンを添加した
     純水を満水にして保管する)がありますが、満水保管が多いです。
タービン:乾燥空気を送風する乾燥空気保管が主流です。
発電機 :シリカゲル等を入れてコイルの劣化を防ぎます。

では、なぜ再稼動させない火力発電所を廃止しないかという問題ですが、廃止
しないで認可出力を得ていれば、設備更新で発電設備を設置することが出来、
地元対策からはじめなければならない新設よりずっと有利だからです。

以上ですが、端的に表現するならば、口先では「電力の安定供給に万全を期
す」と言いながら、実際はそうではなく、電力企業の意のままに事を運ぶとい
う電力企業の横暴さ以外のなにものでもないと思えてなりません。


たんぽぽ舎【TMM:No1460】
2012年5月18日(金) 地震と原発事故情報より
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