冬を耐え抜いたら春が来るというけれど。
人間の心も冬を耐え抜いたら春がくるんだなと思いました。
Aさんにも春がきました。地味で目立たないAさんですが、
仕事を黙々とこなし続ける真面目なA さんにも。
というのもAさんの部署に、数年前入社してきた人が異色だったのです。事務作業中心の部署の求人に入ってきたDさんはクリエイティブ系志望だったそうです。誰も聞いていないのに「私は絵の学校を卒業していて、絵や芸術系の仕事はわかっている方。この会社にはそういう関係の支社もあるらしいから、ねらってるの!」とアピール。
別に希望にあふれているポジティブな人なのだなと、たいして気にとめていなかったAさんでしたが、あきらかにDさんとは真逆なキャラなので、すぐさまDさんの標的に!
地味なAさんの前で、同じ部署の数人をつかまえて「私たちって流行よくわかる系だね!」と、Aさんが遠回しにダサいと馬鹿にしたり、資料の切り貼り作業時に、Aさんをつかまえ、みんなの前で「カッターっていうのはそういう使い方はしないの。デザイン学校ではこういう風に使ってた!」とアピール。
少しでもAさんがPCの使い方でしらないことがあると「私が教えてあげるから、もう一度やり直してみて!私はそういうのデザイン系の授業でかじったことあるから、わかるんだ♪」など、Aさんをたてにして、自分ができるをアピールしていたそうです。
少し年齢が上のAさんに対して「そういう人の世代の考え方って、古くない?今は違うの!!」とまで言い出す始末。代々引きついできた仕事の方法にも、興味がなかったら耳をかさずじまい。「私がこれから古い人たちのやり方をかえていくの!!」と、目を輝かせていたそう。
見た目の頭の上からつま先まで。カバンに文具。食べ物に至るまで。常に流行に目を走らせ取り入れていくDさん。しかも口が達者ということもあり、周りから一目をおかれるように。そのたびに、Aさんは何かと地味ダサおば扱いされて、とても恥ずかしい思いをしたそうです。今までそんなことは言われたこともなかったのに。
ですが、Dさんの欲望はそこでとまることはなかったそうです。一番叶えたいのは、クリエイティブ系の職をゲットすることだったから。そのうち、毎日、黙々と細かい事務作業に飽きがきてしまったのです。
上司とため口を交わすようになるまでの中になっても、やはり、専門の部署には、その筋のベテラン勢がきちんと腰を据えていて、入り込む余地などなかったそうです。
それでも、どうしてもその隙間に入り込みたかったDさんは、Aさんが他の部署の人と何人かと輪になって昼食をしながら会話をしている中に割り込んできたそうです。
そしてすかさずスマホの画面をみせたそうです。
「ねえみて~!これ、私が書いたんだぁ~!」
画面の中には、Dさんが描いたとされていた絵が!
「え~、すごい!こんなのかけるんだ~」
「事務員にしとくのもったいないよ。」
その声に対しDさんはこう言ったそうです。
「ありがとう~。どっちかと言えば、今の部署って、黙々で暗いしつまんないんだぁ~。そっちの方が営業系の人がクリエイティブ系の仕事とかくれるよね~。いいなぁ~。今度、お手伝いさせてくださいよぉ~。こっちの部署って、暇なんだ~。」
それを横で聞いたAさんの胸のうちに、ひたひたと怒りが込み上げてきたそうです。
この部署のどこが暇なんだと!実は飽き性のDさん。ややこしい仕事はAさんに振り、
目立つ仕事は自分がゲット。そんなことをAさんを出汁にして繰り返してきたそうなのです。
しかも、上司の目を盗んでは、スマホでラインをしたり、ネットサーフィンで流行のランチの店を検索したり、ひどい時は居眠りまでしていたそうなのです。けれど、AさんはDさんを責めずに、ひたすら与えられた業務をこなしていたそうです。
自らがデザイン学校卒ということと、自分の絵をアピールできたDさんは、ますます気をよくして、会社のメモにも自分の絵を添えるようになったそうです。
Aさんいわく、「確かに細かい絵だけど、何かのキャラをコピーしただけのような絵。しかもメモに添えてくる絵は、子供が受け狙いでふざけて書くような絵もあって、仕事中にすることじゃない思った。」ということでした。Aさんは学校はでていないけど、一般の絵のコンクールに幾度か入賞したことがあるそうで、絵は好きな方だったそう。そんなに自信があるのならなら会社のメモに書いたりしないで、コンクールの出品とか頑張ればいいのに・・・と思っていたようでした。
コンクールに参加について、Dさんに打診してみたこともあるそうですが、どうやらDさんは、クリエイティブ系の肩書きが欲しかった、それでお金をもらって、流行のものを買ったりしたい。私は他の人とは、ちょっと違う!そう思われたい欲求があったようです。
地味な部署に飽き飽きしてきたDさん。更にさぼり病がエスカレート。トイレに行って長い間帰ってこなかったり、廊下でいつまでもおしゃべりしたり。上司が出先からかえってこない何時間もの間、誰かを巻き込んでは、お菓子を食べながら悪口大会。そのうち、なんだか立ち眩みがするから遅れます等の体調不良を理由に、何度も遅刻したり。会社に来た時はケロリと元気な顔で「ご心配おかけします。これって、病気じゃないんです。単なるストレスなんで、心配いりません!」と笑顔で言ったりしたそうです。
遅刻しようが、予定がずれて持ち分の仕事が増えようが、ひたすら仕事に集中してきたAさん。そんな姿をみて、ますます不快に感じるDさん。しだいに会話は少なくなり、Aさんのいない場所でのDさんのAさんのバカにする様子はエスカレートしていったそうです。
気が付けば、Dさんの絵はメモ書きに留まらず、資料のファイルの表紙や、みんなの使用する掲示板にまで。お世辞にもアートとは言い切れない絵。だけど周辺は社交辞令で「かわいい絵だね。面白い絵だね。」と言い続け。そんなことにも気づけないDさんは「私の絵はみんなの心の癒しになってる!」とまでつぶやくまでに・・・。
しかし、神様はDさん思う通りにはさせませんでした。
ある日突然、Aさんのところにメールが届いたそうです。
「今までお世話になりました。私は来月で退職します。あたらしく事務所を立ち上げます。仕事がいやとか、ネガティブ退職ではなく、ポジティブ退職です!心配しないでください!」
あまりにも突然で驚いたAさんでしたが、クリエイティブ系の起業をする決意をしたんだな。すごいな。」と思ったそうです。うれしくなって返信すると、起業は全然別の
職種。Dさんによると「以前かじったことのある業種だから、ある程度わかるんです。
知人が起業するので、そこで同じ経営者として活動することなりました!」と言ったそうです。
絵に対する情熱はその程度だったのか。Aさんはがっくりしたそうです。さらにがっくりきたことは、その話は、これからDさんが実際に移す行動ではなく、将来的にそうなりたいという話だっただけという事実を、後々に他の人から聞いたことでした。負け犬と思われたくない。その一心で、ただ理想を本当のように言っていたこと。
退職まであと数日に迫った午後、Dさんが恒例のように行っている上司が会議中の間のおしゃべり大会では、退職している上司の悪口まで・・・・・・。
「だいたい、くそ真面目に働いてたら、息が詰まるわ!この部署の人間みたいに!
わかるでしょ!○○さん!私はね!ガツガツとおばさんみたいな働き方はしたくないの!みんなで楽しく和気あいあいとおしゃべりしながらお仕事したり、おしゃれやおいしいものを共有したいの!」
Aさんは「なぜ、一生懸命真面目に働くことがおばさんなのかも、ガツガツって言い方の意味がわからない。たまにはおしゃべりもいいけど、しゃべりながら仕事って?じゃぁ、細かい事務作業のあるこの場所になぜ応募してきたんだ。ここを踏み台にして、クリエティブ?意味わかんない!」・・・・・・とにかく関わったら負けだ。そう思いつつ、Aさんは期限の迫っている仕事を黙々とこなし続けたそうです。
Dさんの急な転職宣言で、繁盛期すぐそこの部署はてんてこ舞い状態に。そのしわ寄せは、さらにAさんにも。
連日忙しくて大変なAさんでした。だけど、内心は春でした。もう、Dさんに振り回されなくていいから。そして、偶然にも、Dさんと共にAさんを馬鹿にしていた人も、家庭の事情で、配属移動を希望していったから。
Dさんが去ったのち、Aさんは驚くべき事実を知ります。
会社のあちこちに自分の絵を書き込んでいたDさん。
ずっと見逃されてきた感じなのですが、ある日、とうとう、Dさんはやらかしてしまったそうなのです。新しく始まる仕事の研修時、目の前にあったポスターに、こっそり自分の絵を書き込んだそうなのです。
なんと、そのポスターは大手の取引先さんからもらったポスターで、そのスペースは、他の企業の役員まで出入りする場所だったということ。
あまりにもふざけた絵で、自分たちの会社の職員の笑いを誘ったまでは、いつものことだったのですが、それは会社の上司までに広がって問題になり、このことについてミーティングが開催されるまでに!!
「誰がラクガキしたのかはわからないが、大切な取引様からいただいたもの。ほかの企業様も出入りし、このようなものが目に触れると会社の信用にかかわる! みんなでそのようなことはいけないと共有しなければならない。よろしくお願いします。」
そのようなことがミーティングで言われたということのなのです。
その言葉を聞き、ここまで大ごとになってしまい、名乗り出ることもできなくなってしまったDさんは追い込まれてしまったようです。
ただただ驚くばかり。その絵が「ラクガキ」と言われたことも、Dさんにとっては相当なショックだったのかもしれないですね。
ヘタウマっていわれる分野の絵もあるけど、その分野はラクガキって言われない。なぜなら、きちんとした場所で発表されているから。そして描いた人の心があるから。きちんとしたアートとして感じることができる。紙の上じゃなくても、板の上でも、土の上でも、どこに描かれたものだとしても、人の心を害することのないところに描かれた思いの入っている絵は、人に癒しを与えてくれる。
自分の欲望をアピールするために描かれたDさんの絵は、結局、それが裏目にでてしまって、結局は「ラクガキ」になってしまった。なんだか悲しい気持ちになります。
自分の本当に好きなものは、大切にしたい。
Aさんは、今の部署の仕事がとても好きだそうです。就職難で苦労していた時にやとってもらったからだそうです。お給料をもらって、時には絵の鑑賞をしたりできることに、この上ない贅沢を感じるそうです。
心の冬を耐え抜いたAさん。事務所の日なたの窓から、春の光が入ってくるデスクの、その周辺の道具には、もう数々のラクガキはありません。何年かぶりの静かで穏やかな春を迎えることができそうなAさんでした。
さようなら、ラクガキ魔女!!
小さな読書BOX席
こちらでは、手作りの詩のメニューをご用意しております。
どうぞ、お気軽に・・・
ただいまの主なメニュー
「生活は箱の中」
「そんな世界のための春の日」
etc...
今日もきてくれてありがとう・・・
スピッツ
スピッツが動き出した(=^・^=)
名探偵コナンの主題歌は意外だった~。
曲のタイトルは漢字の勉強になった~(^^)/
https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0301/ori_230301_8510338822.html
映画のタイトルもいいなぁ~。スピッツってなんか、水色が似合う~^^
https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0222/hwc_230222_0230384515.html
【スピッツ/桃】
桃の節句も、あっという間に過ぎました。かわいい桃の花。
三月といえば桃の花♪
よれよれの幸せでも、自分にとってOKならば、
フィールソーグッドなのでR~🍀
阪神タイガース![トラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/175.png)
打撃陣も快調な滑り出し!! 開幕が楽しみ!!
甲子園でもガンガンたのんまぁ~~~~~~~す!!
https://www.daily.co.jp/tigers/2023/03/16/0016145455.shtml
https://www.daily.co.jp/tigers/2023/03/16/0016145463.shtml
https://www.daily.co.jp/tigers/2023/03/16/0016145458.shtml
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気になる音楽![うさぎ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/176.png)
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今回は『MONKEY MAJIK×GAGLE This is The Night』です
とってもいい感じの曲。たおやかな夜のイメージ満載。安心しきって聴いてしまう♪
あしたいい日でありますように!