ポール・ギャリコ著『スノーグース』

 
 

 
言わずともしれた有名な一冊
 
表題のスノーグースは一つ目の作品
 
世間に傷つけられて
引きこもることに決めて
心を閉ざすひともいるけれど
そういう姿の中で
人に役立つことができる
そういう機会を待っているひともいる
 
受け入れられること
愛されること
認められること
人の役に立つこと
 
その欲求は ひとに深く根付いているもので
その欲求を 諦めないひとの生き方は
気持ちを揺さぶります
 
さらにポール・ギャリコの作品に出てくる
素朴で 心があるかのような動物たちは
お話の大事なキーであると共に
物語に とっても優しい色合いを添えてくれます
景色や色の描写も美しい
 
他の二篇はもう少し キリスト教の
寓話的要素を含んでいるように思いますが
 
強い気持ちが
何かを変えていく みたいなところは
変わらない
 
それこそ昔は しんみりしすぎて
こういうお話は得意ではない部類でしたが
ついつい手が伸びるほど
めっきり寒く
人恋しくなる季節がやってきました
 
あったかいお部屋で
あったかいスープでも飲みながら
この一冊