お母さんの作品


二階に置いてあるお母さんの嫁入り道具

桐の箪笥。


ごそごそ見てたら、

見覚えのあるジャケット。


小学四年生か五年生の時に着ていたママのもの。

えっ!と思って取り出して

あぁ、やっぱり私の。


小さい頃は、普段着とよそゆきの服がはっきりと分かれていて

これは、お母さんが仕立ててくれたよそゆきの服。


スタイルブックをみて

こんな服を作ってほしいと伝えても、いつも違うデザインで

え〜、なんで〜。と文句。


あとで聞けば、忙しくて仕立ててられなかったし

生地も高いし

お客さんのあまり切れで作ってた。と言っていました。



もう虫食いだらけ。


襟の雑なまつり縫いは、ママがしたのだと思います。


お母さんが仕立てた洋服は、このジャケット一枚しか残っていません。


なんで残してあったんだろう?


生地は、良いものだと思います。

ちゃちゃっと作ったような感じでもなくて。

丁寧な仕事だと思います。


だからかな。。。



お客さんとスタイルブックをみながら

デザインを決めていくのが楽しかった、とよく話していました。


ウェディングドレスも仕立てていました。

大変だったけど

素敵なドレスが出来上がって嬉しかった、とも話していました。


ママの着ていたよそゆきの服。


お母さんが仕立てた洋服。


お母さんの作品。