「手当」

手を当てること、手を添えることが

何十回、何百回の言葉で伝えるよりも

どれほど効果的で素晴らしいコミュニケーションか

ご存知ですか?



子どもの頃

緊張からお腹が痛くなり

おトイレにっても治まらず

でも、お母さんがお腹に手を当ててくれるだけで

心が落ち着き

痛みが止まることありませんでしたか?



「お母さんの手当て」そのものがハンドケア

手当て=触れることにより

心と身体に安らぎを与えてくれます。




けれど、人は年齢を重ねると

とくに日本人はもともとスキンシップが少ないため

夫婦・親子間でも照れもあり

手や体を包み込んでもらうことなど

少なくなってきます。

うーん(汗)



これは過去の経験からですが

末期のガンと闘っていた父が

スピリチュアルペインとなり


*スピリチュアルペインとは?

死が間近に迫った患者の方が
自分が生きる意味や価値を見失ったり
死後の不安や罪悪感などで苦しむ痛みのことを言います。

がんを告知されたがん患者の方は、
「なぜ自分が癌にならなければならないのか?」
「なぜこんな痛みを味わわなければならないのか?」
という怒りであったり
「自分の人生の意味は一体何だったのか?」
という生きる意味への問い
そして病気になったことで
周りに迷惑をかけてしまったという罪悪感や
死後の恐怖などで苦しみを感じることがあります。




そんな状態の父にどんな言葉をかけても

声が届くはずもなく。。。



けれど、毎日抱きしめて

冷たい手足や痛みを感じるという部分に

手で触れてやさしく揉み続けることで

父の険しくて苦痛の表情が

和らぐのを感じとることが出来たのです。



その後、父がこの世を去った悲しみと喪失感

看病の疲れから、体調を崩してしまい。。。

わたしもこのハンドケアコミュニケーション

に救われました。




スピリチュアルペインを和らげる効果が

あることを、自然療法を学んで改めて理解し

さらに、病気の方だけでなく高齢者の方にも

ハンドケア(手当て)が

日常のストレスによる緊張や不安をやわらげる

優しいケアだと実感。



ハンドへのフィジカル・アロマケア

(高齢者ハンドケア)は

肌の保湿と潤いを補う効果が期待できるだけでなく

刺激を与える事で代謝の働きを促します。



その目的でのハンドケアも大事ですが

もっとも重要な効果は

肌と肌を触れ合う事で癒しと安らぎを与えるなどの

心理面に大きな効果が期待できることです。



高齢者ともなると、自分の行動範囲が狭くなり

何もかも衰えていく自分に

「存在価値がない人間」

「生きていても仕方ない」と思いがちです。

それを手を握ってあげ

ハンドケアをすることで安らぎを与え

存在を認めてもらえたという喜びになるのです。




それだけでなく日常生活の中で


●家族やパートナーとちょっと心が離れてしまったと
 感じるとき。

●大切な人が心身ともに疲れてしまっているとき。

●友人を励まし、力になりたいとき。



もちろん

「愛している」

「いつも思っているよ」

などと言葉で伝えることも大切です。。。が


ハンドケア=ふれあい(手当て)を通して

きっと、私たち人間皆が

ハートケアを求めてるように思えますスキ!?*