エビ大王」・・・。タイトルだけ観て観に行こうって思う人はそんなにいないんじゃないかと
思いますが、劇団新感線や第三舞台でつかこうへいの芝居などに多数出演して、今や
TVでも露出の多い筧利夫さんが座長として立ち上げたTeam ARAGOTO旗揚げ公演と
なる作品です。
結構芝居を観ているのに、最初この公演は見落としてました。それほどタイトルに食指
が動かなかったのかも知れません。妹に面白いらしいと聞いて、「あらそ、じゃあ、行って
みようか」と気軽に取ったチケット。何の前知識も仕入れず、タイトルとキャストだけ見て
勝手にギャグ芝居を連想していた迂闊な私に活を入れる芝居でした。筧さんギャグ一切
無し。踊る大捜査線に次ぐくらい渋い演技を見せつけました。最初は韓国の芝居だって
知らなくて、後でパンフを買って仕入れた情報では、韓国では子供が言うことを聞かな
かったりとかそんな時に「エビが来るぞ」とかの使い方をするそう。エビは怖いものの
代名詞なのですね。父とも同義語のよう。日本で言うと「なまはげ」みたいな感じかなぁ。
あれは神様ですよね、確か。
本題に戻ります。橋本じゅんさんとか途中の幕間に少しだけギャグ入れたりとかはしてる
のですが、基本的には壮大な親子間、人間観のドラマです。すごくシンプル。こなれた
役者さんを沢山起用しているせいか、完成された危なげない芝居でした。筧さんの台詞の
多さと噛まないプロ意識はすごく緊張感がありました。存在感ばっちりです。佐藤アツヒロ
君も光GENJIの名残は既になく。ここのところ多数の新感線他の芝居に出ているためか
どんどん上手くなっている気がしますねぇ。新感線では真面目そうな性格に見えるせいか、
ギャグが辛そうな印象でしたが、この芝居では本領発揮と言った感じを受けました。
サエコちゃん、上手です。声がとってもいい。橋本じゅんと河原雅彦の掛け合いに巻き込
まれて笑わないよう必死にやっていたところもとても可愛かった。どこで見たんだっけ??
と記憶を探れば、「ドラゴン桜」で現役アイドル東大生を目指している役をやってるのを
思い出して、変われば変わるもの、役者ってすごい。と、ちょっと感動しました。
金曜が千秋楽ですが、27日から大阪でも公演があるようです。観て損はない極上の一品
でした。
来週は「12人の優しい日本人」観てきます。久々の三谷幸喜、楽しみです♪