何気ない日常。
その時間を間違いなく生きている、自分。

青く晴れた空を見つめていると、今頃、君も同じ空を見て、同じ思いを感じているのかと思うと、浮かれた気分になる。

といっても、自分には何もない。

地位も、財産も。
あるのは、このさびれかけた体のみ。

ただ、毎朝、笑顔をくれる、あの人の笑い顔が嬉しくて。
ただ、たまにみる、思い詰めた顔が切なくて。


一つ言えること。
僕は、君に恋をしていた。

恋と言っても、簡単なものじゃないこと位、わかってるよ。

君には、一生わかってもらえない。
そして、僕も伝えきれない。

だから、優しくしてもらうのが苦しくなる。
もっと、側にいたいのに。って。

ねぇ、僕の見ている、視線に気づいてる?

君は、何を見てるの?


こんな僕だから、君を見守るしかできないんだ。
間違いなく、君よりは先に死ぬ。
君に抱かれたまま、先に逝けるのは本望だが、
君の涙する姿を思い浮かべると、とてつもなく、暗い闇に襲われるんだ。
君の涙も拭えない、情けない奴だって。


だから、今のこの時間がいとおしく幸せなんだよ。

このままで。
このままが。

君に出会えた、そして君と過ごる時間が、僕の幸せだよ。


いつも、ありがとう。
僕の、ご主人様。