北海道の中でも、最近有名な、ニセコ。

海外から、永住する人も多い。


そこにある、自然の中に囲まれた、コテージ。「スプリングバレー。」


そこに、8人の大人と、3人の子どもたちが集まり、楽しい宴を行う物語。




土曜日、体調がよくない。

でも、この日の出発時刻は、お昼すぎ。


しかし、目が覚めた時には、夜の7時半。

あわてて準備をする。


かーちゃんに電話。


プルルル プルルル


「もしもし・・・」


「あっ!今どこにいるのさぁ~~。」

後ろには、にぎやかな笑い声。


「あっ。小樽なんだ。ごめん。」


「早くおいでぇ。」

「うん!」



プープープー




重たい頭と体を起こし、車に乗り込み、出発。

外は、雨。

山道には、カエルが道路に飛び出し、今にも車にひかれるのでは

ないかという勢いで飛んでいる。


車から流れる音楽も、今は耳には聞こえない。


21時。

目的地近辺に、到着するものの、

なんだか怪しい。

こんな場所が、地図には描かれていない。


本気で、焦る。

小道に入っては、またため息一つ。


これも違う。。。。


これこそ、リアル鬼っごこ。ならぬ・・・

リアル迷子。。


助けて。。



電話をかけ、案内してもらいながら、無事に到着。

内心、自分だけ遅れていたことが、緊張という空気を作る。


高鳴る、心臓。。。。

緊張のあまり、声が裏返りそうになっているのが、わかる。


ドキドキ・・・・・・・・。











でも、皆の反応は違った。。

むしろ、ものすごく待っていてくれた。


草むらの影に隠れて、ふくろうのモノマネをしてくれる、せー君。

皆の笑顔があふれだす。


セミの鳴き声を、響きわたるくらい、外に向かって叫んでいる、ひー君。

皆の、笑い声で満たされる。


あたたかく、声をかけてくれる仲間たち。

たー君。みーちゃん。かーちゃん。まーちゃん。

そして、子どもたち。


この瞬間が一番好きだ。



「もう~、なんでこんなに遅かったのさぁ!!」

「皆、お肉焼くの待ってたんだよ。」


「これ、そらのために、とっといたんだよ。」


え???

そらのため???


その言葉に、体の中が熱くなる。。。。

心が嬉しさで、はじけそうになっている。

涙が出る。


その感動に浸ろうとした瞬間・・・・・・



「泣くなら、帰れや。このっ。」



実に、愛のある言葉。。

これは、愛情の他になんて呼べばいいのだろうw


本当に、ゆかいな仲間だ!



子どもたちがコテージに帰り、みーちゃん・まーちゃんも

中へ入る。


残ったのは、かーちゃん・たー君。せー君・ひー君、うちの5人だ!


ここから、長くて、短い夜が始まる。






つづく。。