三輪山に降る雨と滝行 | 空の宇珠 海の渦 

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-そらのうず うみのうず-
空海の小説と宇宙のお話

 

 

 

 

 

先日、三輪山に登拝中に雨が降り出した。


午後からの雨が、早まったようだ。


しかも、結構雨粒が大きい。



丁度、7番目のポールの付近。


その瞬間は、「雨かぁ…」



そう思った。



だが、しかし…



しばらく歩くと、あることに気がついた。



この雰囲気…



何処かで体験した事があるぞ…



溢れる霊気…



空からの雨…水…



そうなのだ、これは滝行なのだ。



私は以前、滝行をしていた時期があった。


エネルギーを感じられるのも、そのおかげだ。




実の所、少し前にある方に滝行に誘われた。


その当時は、三輪山でのミッションがあったので断った。


だが、滝に入りたい欲求はあった。



しかも、「三輪山の霊気で滝行したいなぁ…」


などと恐ろしい事を考えていた。



当然、三輪山の頂上に滝は無い。


無い物ねだりの、敵わぬ夢のはずであった。



それが…である。



その夢が…叶ったのである。




その日、三輪山で大粒の雨に喜んでいたのは…


多分、私だけであろう。

(ただの馬鹿ではない…大がつく)




頂上の岩鞍付近では、皆さん早々にレインウエアを着ている。



だが、私からすれば「勿体ない…」の一言に尽きる。



エネルギーを伝えやすいのは水分である。



滝に入る意味がそこにあるのだ。


滝の水であろうが、天からの水であろうが、


私にとっては関係がない。



「有り難い…水」なのである。
 

 

 

 

寒い冬なら応えるが、今の時期なら問題ないだろう。

 



沢山人がいたので、しばらく待った。


さすがに、雨のおかげですぐに人は減った。



お祈りするには好都合であった。


私は岩鞍に向かって般若心経を唱えた。



思った通りの結果が現れた。


滝行のときとよく似た感覚。


師との滝行を思い出し、少し切なくなった。



唱え終わり後ろを見ると、知らない女の方が手を広げていた。


目が合うと、少し驚いた表情を見せた。



「やり過ぎたか…」と反省しながら、


しばらく余韻に浸っていた。




他の人から見ればただの雨に過ぎない。



だが、私から見れば、これは滝行と同じなのだ。



実の所、雨の日は避けていた。


太陽の光がある方が、心地いいと思い込んでいた。


しかし…「夏であれば雨の日もいいな…」


そう思える出来事であった。



なかなか出来ない面白い体験であった。



こんな偏屈な夢が叶うなんて思いもしなかった。



雨の三輪山も有りです。



でも、「夏限定」の季節ものです。