白鳳展と仏像 | 空の宇珠 海の渦 

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-そらのうず うみのうず-
空海の小説と宇宙のお話







現在、奈良の国立博物館で白鳳展が開催されている。


白鳳時代の仏像が沢山展示されている。



私は仏像を見る度に思う事がある。


「これは人が作った物だ!」


と言うことだ。



神や仏には形はない。


「形の無いものを形にするのはおかしい」


と言っているのではない。



神や仏は見る人によって違うのではないかと思うのだ。



そう言う経験をした方ならわかるとは思うのだが…


形がない情報を持ったエネルギー体でも、イメージとして形になる。



その心の中で像が現れる。



DVDの中の0と1の信号が映像となって現れるのと同じだ。



だが、その形は再生機である人によって違うはずだ。



「有り難い仏様を見に来ました」



正確ではないが、このようなコメントをテレビで見た。


見に来られた方のコメントを聞いてちょっと哀しくなった。



「それはあなたの仏様ではない」


これが私の本心だ。


そのものを本当の仏だと思ってはいけない。


思い込めば真実に変わることもある。


だが…


それは刷り込みであって真実に触れたことにはならない。


そこにある仏像を通して自らの仏に通じようとするのはいい。


だが、そのものをそれだと思ってはいけない。



本当の神や仏は遍くあるものである。


手を伸ばせば側にある。


だが、それを感じることのできる人は少ないであろう。



自らの心に、自らの仏性に問いかける。


自らの心にその有り難さを感じて欲しい。


仏像が有り難いのではなく、あなた自信が有り難いのです。



私はそう思ってしまう。



一体、宗教って何なのだろう。


何のためにあるのだろう。


そう思うと少し哀しくなってしまった。



だが、芸術として見ればそれはそれで関係なく素晴らしいものだ。


機会があれば白鳳時代の芸術と文化に触れてみてください。

9月23日までやってます!




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