歩道橋が好き
朝も昼も
だけど
夜の歩道橋がいちばん好き
川が好きで …
川を渡る
橋 が 好きなの
ひたすらに列車旅をしていた頃も
やっぱり鉄橋が大好きで
渡る時は
渡るずっと前から
胸がドキドキして …
子どもみたいに
窓に顔をくっつけて
なんだったのだろう
あの気持ちは
思い詰めたような
まるで
雑踏の中に消えてゆく
恋人の姿を目で追うような
あの
痛むほどに …
胸しめつけられ
焦がれる気持ち
そうして
なぜなのかしら …
夜の歩道橋は
そんな胸の痛みを
思い出す
夜の歩道橋の真ん中に立って
流れてゆく
光と残像を
ふわり 見つめながら
ああ 川 …
と 思う
わたしは
橋の真ん中で
川の真ん中に立って
流れる
時の真ん中に
立っている
夜の歩道橋が好き
夜の道路は川のよう
橋の真ん中で
川の真ん中の
流れの真ん中に …
流されないで
だけど漂うように
心委ねて
帰り道
ほんのひと刻 …
まるで夜のように
夜にとけながら
…
夜の粒子になって
立つのが
好き
゚・*:.。..。.:*・゚゚ 忘れてないよ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・