やしの木こんにちはやしの木

最近完読した本


Too Much and Never Enough: How My Family Created the World's Most Dangerous Man


メアリー・トランプ氏、臨床心理士、心理学博士で教鞭もとっている、ドナルド・トランプ氏の姪っ子にあたる方が、トランプ一家について書いています。

主にドナルド氏の父であるフォレッド氏と妻が、子ども達をいかに育ててきたか、つまりドナルド氏が、いかに育てられてきたかについて書かれています。身内だから知っている事実もあるのだろうと思うところと、幼い(メアリーさんが幼少期だった故)が故に、よく分からない事もあったのだろうとも思いました。

そして、ドナルド氏の自己拡大や自己妄想、加えて虚栄心が、いかに育まれてきたのか、知る事ができます。空虚な自己を周囲が育ててしまった。しかも財力があるが故に、力や能力があるように見せる事ができた。人を思いやったり、気遣ったりする余裕もなく、いつ崩れてもおかしくない脆い「小さな僕」を守る事に必死になっている。

正直、ドナルド氏も被害者だと思うのですが、だからと言って、他の人を巻き込んではいけないですね。そして被害者は彼だけでなく、他の家族メンバーも被害者ですし、メアリー氏も、相当傷ついているんだろう、と思いました。

財力や名声がなければ、挫折から学ぶ事もできたのでしょうけど、そのチャンスに恵まれなかった。刹那的ですね。

メアリー氏は、ご自身の父親フォレディー氏を早くに亡くしている。しかも、フォレディー氏が長男であった為に受けた過剰期待と不当な扱いから、彼が内面から壊れていく。その時のトランプ一家やフレッド氏のフレディー氏の扱い方が、本当に痛ましい。だからメアリー氏がトランプ一家に怒りを抱いていてもおかしくはない。ここに書かれている事は、メアリー氏の主観で書かれたところもある、と思って読んで方が良いと思います。その一方で、家族だから知っている事実もあるとも思います。

追記
そういえば、メアリー・トランプはレズビアンなんです。一度結婚されて、お子さんがいるそうです虹虹虹