どうもみなさんこんにちは。

 

そらみつです。

 

本日はけんぱく(岐阜県博物館)の脊椎標本作成グループ(通称ダチョウ組。注:ダチョウ倶楽部ではないよ。)の活動日でした。

 

当グループは、博物館サポーター(ボランティアスタッフ)数名で構成されており、交通事故死してしまった野生動物(主に脊椎動物)の解体、剝皮などを行い、それらから毛皮標本、剥製、骨格標本などをつくります。

 

月2回程度の活動を行っております。

 

自分の主担当は、交通事故死した動物の解体です。動物を解体し、毛皮、骨などにわけて、毛皮や体内で発見した寄生虫、消化器系の内臓の内容物を調査したりもしています。また、剝皮した毛皮をなめしたり、骨格標本にするために骨のクリーニングなども行います。鳥類の仮剥製の作成も行います。

 

本日は交通事故死してしまったタヌキの解体を行いました。

 

理想としては、毛皮を剥いで(剝皮)、毛皮の内側にある筋肉をそいで(除肉)、毛皮を洗浄して、毛皮のなめし液につけるまでの工程を1日から数日間の間で行ってしまいたいものです。

 

どうしても作業が途中になってしまって、解体中の個体を再冷凍して、また解凍してという過程を繰り返してしまうと、毛皮の傷みが進行してしまい、あまりよい標本にしあがりません。

 

本日は、とりあえず午前中の2時間で剝皮と大まかな除肉を行い、午後に毛皮の洗浄と脱脂、からの最後の除肉の仕上げ、そして、いっきになめし液までの漬け込みを行いました。

 

剝皮後の毛皮です。

 

 

ミョウバンと塩を使ってなめし液を作成します。

 

ミョウバンは結晶状になっている生ミョウバンの方が、なめし液を作りやすいです。

 

つけこみは1週間程度行います。

 

除肉が十分でないと、なめし液に漬け込み中に腐敗してしまったり、カビが発生してしまったりし、また漬け込んだあと乾燥させているときに、脂分が多くしみだして、べたべたになったり、いろいろと問題が発生します。作業の手間を省いてしまうと、いいものはつくれません。

 

自分としては、標本作成は、速さではなく、丁寧さが必要だと思います。

 

ちなみに、毛皮の剝皮は、慣れていないと1日かかってしまったりしますが、まあ、これはもうかれこれ10年以上行っておりますので、ここにはあまり時間はかかりません。

 

剝皮した動物の残った骨については、大きな骨折をしていなければ、骨格標本にできますので、骨の周りの肉を除いて、骨の中にある脂分などもぬいて、漂白を行います。

 

 

骨格標本は、ベテランのサポーターさんの方にお願いしております。

 

過去に自分がクリーニングした動物の骨を今組み立てていただいております。

 

 

今年は、もうすでに、タヌキ、イノシシ、キツネ、イタチなどの標本を作っていただいております。

 

ちなみに、完成品はこのようになります。

※現在博物館で展示しているタヌキの毛皮です。