先週の水曜日に用水路で捕獲した魚を仕分けしているときのことです。

一匹小さいフナを手に取ったとき、おやっと思いました。


これがそのフナの写真です。









こちらの写真をご覧いただくと少なからず3種類の病気に罹患しておると診断されます。


①カラムナリス病 ②運動性エロモナス症 ③水カビ病


①カラムナリス病とは、滑走細菌類フレクスバクター・カラムナリスが、鰓、鰭、口、皮膚などに感染して、それらの部位に患部を形成します。鰓ぐされ病、尾ぐされ病、口ぐされ病などの総称です。

症状を確認するに、唇左側、餌、表面の一部に黄色の潰瘍ができており、これはカラムナリス菌の集落である可能性が高いです。


②運動性エロモナス症は、エロモナスハイドロフィラに起因する病気であり、原因菌は、淡水に常在している菌であるので、魚の抵抗力が低下する際に発症する病気です。皮膚の部分に内出血が見られます。これを一般的には赤斑病と呼ばれており、原因は上記のエロモナスハイドロフィラなので、運動性エロモナス症の一つとしてあげられます。水温の急速下降する秋から冬にかけて発症することがあります。


③水カビ目水カビ科に属する真菌で、綿毛状の着生物が皮膚や鰭などに確認されます。写真ではあまり詳しく見えませんが、背びれに二か所、尾ひれに一か所、鰭の付近に数か所白い綿のようなものがくっついております。通常20度以下の水温のときに発生し、二次的な疾病として挙げられます。つまり、一次的な疾病がもとで水カビが発生すると考えられます。主な原因は、水質低下のストレス、取扱いのときの傷、魚同時がぶつかったときにできるスレ、細菌感染、寄生虫感染などがあげられます。 この場合は、カラムナリス症に感染にともない、水カビが発生したと考えられます。



治療の経過


それでは、上記病気の治療を開始していきたいと思います。

注意:自分は医学の専門的な勉強をしておりませんので、あくまでも個人的な経験やものの本などに基づいて行っております。これが正解とはいえませんので、あくまでも参考程度でご覧ください。


とりあえず、隔離です。飼育ケースに一匹のみ入れて、水のカルキを抜いてから、エアレーションを入れます。


魚の病気治療薬はペットショップで販売しておりますので、それに合わせた薬を用意すればよいですが、自分はまず、グリーンFゴールド、鷹の爪、塩を用います。グリーンFゴールドは、スッポンやイシガメの皮膚病治療によく用いますので、今回それを使用しました。


とりあえず、鷹の爪と塩を投入してみました。薬はまだ使用せずです。今回、この二種類でどれだけ効果があるか試したかったということもありましたので。


二日目の写真、


10/16pm


うお、水カビが増殖しております。

やはり、専用の薬が必要です。薬を投入。薬浴開始です。



10/16pm

白いのは塩の粒です。



治療開始二日目、赤班がだいぶ消えてきました。②の病気に対して効果が出てきました。
10/17am

ただ、水カビは依然とかわりません。


治療開始3日目、赤班はかなり消えました。あまり違いがわからないかもしれませんが。

そして、①の口、鰓にできた潰瘍もかなり回復しております。







あとは水カビだけです。


とりあえず、排出物で水が汚れてくさくなってきましたので、別の水槽に同じ状態をつくり、魚を移し替えます。その際、水温の変化をあまり魚に感じさせないように、前日にバケツに水を汲んでとなりに置いておくとよいでしょう、翌日同じ水温になっておりますので、魚に対してストレスを与えません。


少し水カビが小さくなってきたようです。






治療4日目

うん、水カビもほとんど目だたくなり、若干の鰓の潰瘍はあるもののだいぶ回復したようです。







ちなみに、薬は使用量は説明書の仕様からだいたい案分して使います。


上からの図




また、病状を昼に確認して夜にもう一度確認した際に、病気があまり治癒していないようでしたら、ちょっとずつ薬、塩、鷹の爪を追加していきます。


水カビが完全に消えたら、他の魚の水槽に合流させてもよいでしょう。


病気確認直後は、かなり症状が重篤でしたので、きちんと泳ぐのもままならず、そこでじっとしておりましたが、現在はとても元気よく水槽内を泳いでおります。


あと、飼育ケースは必ず蓋をしてください。蓋をしないとせっかく一生懸命治療してるのに、飛び出して死んでしまうことがあるからです。