DJ OZMA ばかりがとりあげられ、正直、彼の目論見どおり、といっても過言ではなかった紅白歌合戦、観なかった方は、こういうときはさすがにそこだけ「ミスった」と思ったことであろう。しかしこれで、小林幸子がどれほどこのさき宙に浮かぼうとも、たった一曲に何億円をつぎこもうとも、たとえ空に飛び立ってしまおうとも、もはや視聴者(ないしはマスコミ)を喜ばせるのは
アンチ紅白(NHK)という意識を持った出演者だけ
という図式がばれてしまったことになる。
とんねるずが舞台で暴れたときも、倖田來未が出たときも、マスコミ各社はさわいだ。当のNHKはぴりぴりして、とんねるずのときは抗議電話の対応に追われたし、エロかっこいいお嬢にいたっては、入念な衣装打ち合わせがあり、
どこまで出せるか
という規定の元、さらに入念なリハーサルがあったという話だ。
オズマがあれをできたのは当然、リハのときぜんぜん報告がなかったわけで、だからNHK的には信じられないサプライズであったと思うけど、当然だけど、マスコミのイイネタになった。多少飽きられてきたかなって感じのオズマ氏の人気も急上昇?となったわけで。
だけど、
いつも思うんだけど、サプライズがやななら出すことねえじゃん?ともいえるNHKである。
出演依頼して、「常識の範囲内でお願いします」とか言うんだろうけど、
そもそもそんなジョーシキ無視してたから売れた人がいわゆる芸能人である。エロかっこいい、で売れた倖田氏に、ぴりぴりするほうが変である。低視聴率にあえぐ昨今、視聴率を獲るか、常識を取るか、という、二者択一のはずなんである、この紅白とゆうやつは。NHKは腹を括るべきである。抗議の電話さん、よろしくどうぞ、ぐらいなね。
んで、抗議の電話七百件って、多いともいえないんだろうけど、ビミョーな数だなしかし。そういう話を聞くたびに、
世の中にはいろんな人がいるもんだなと思うわけだが。前も書いたかもしれないけど、わざわざNHKの番号を探してきて、かけるんでしょ?「おとーさん!!はやく電話帳持ってきて!!はやくよ!!」あるいは番号案内にかけて聞くとか。はやくかけないと抗議にならんから、もう必死だしょ。
んで、もうひとつ、気になるのは、たとえばこれがどういうものであれ(オズマの一件に限らなくて)、抗議をするとき、「電話をかける」っていう直接行為に出る人と出ない人との線が引かれるのはたいてい、
世のなかはかくあるべきだ
みたいなパワーが、まっすぐに、ある一点にむかっているというところにある。
それはすなわち、
自分がやらなくちゃ
っていう使命感。
講堂に大勢いて、なんか意見ありますか?って言われると、みんないっせいに下向いちゃうのに、なぜか匿名だと一点突破がはやくはげしくなる。ていうか、シャイなのよね~あたしたちィ?で、すまされればいいんだが。
オズマ氏の裸スーツが歓迎されるべきものとかユニークだとかは特には思わないけれど、七百件も抗議の電話を寄せる意気込みがあるんなら、もっとほかに、それはおかしいんじゃない?っていってもいいことが世の中にはたくさんありそうな気がするけど、そういう風景、まだまだ続いていくんだろうなあ。
いろんな意味で、年末年始は考えさせられますた。