アメリカ産牛肉輸入問題で国会が荒れているらしいが、今回の騒動のおかげといっちゃあなんだが、アメリカという国がどれだけ日本をばかにして軽視しているかってことがようやく(素人にも見える形で)あからさまに露呈したわけである。

まあ、ブッシュってひとはじつに単純明快なひとであるから、アメリカをおびやかす国はみな敵国であり、それ以外の国は属国であり、自国の富裕層以外の、もっといえば有色人種をひとだと思っていないので、そういうひとたちが脊髄入りの牛肉を食べてヤコブ病で脳が海綿状になって死に至ろうが、銃で撃たれてのたれ死にしようが、どうだっていいって話。


アメリカのどっかの偉い人が今回の騒動をさして、「日本車が一台欠陥が出たからといって全車を輸入禁止にするようなものだ」とかわけのわかんないことをいっていたけれど、車と食い物をおなじ目線で見ちゃってるあたり、倫理観のあまりの相違というのか、衛生観念の欠落というのか、もうしわけないけど大丈夫?と心配したくなるのだがどうなんだろう。

日本政府の甘さっていうのは、ようするにその「感覚の違い」だの「ずれ」みたいなものをまったく「想像できない」ところにあるわけだが、小泉の言う、「あっちが約束を破ったのだからあっちの責任だ(プン)」みたいなことが、すでに要求として通るわけがないのを「想像できない」時点で終わってるともいえる。もうだめだな、小泉内閣。ていうかこんなひとを頂点に立たせてる時点で日本国民全体が終わってたりするんだけど。


それにしても、

ブッシュが「こんなにうまい肉を食べられないなんて」って言った時、わたしがまず最初に思い出したのは、アメリカ小都市のスーパーに普通に売ってる真っ青なケーキとか農薬塗りたくってぴっかぴかにひかってたトマトとかさわっただけで手にしろいものがついちゃうりんごだった。かたやニューヨーカーはマクロビオティックにオーガニックでノンファットでカフェインレス。うーん。倫理観の違いだけですべては解決しないってわけか。キーワードは貧富の差なのか。日本もそうなっていくのかこれから?金持ちはビーフエキスの入ったスナック菓子を食べることなんかありえないしな。アメリカ産牛肉を真ん中にはさんで表面だけ松坂牛、て書いてある嘘の表示の肉を買うこともないだろう。しかも買ったひとは給料日にフンパツして家族にうまいもの食わせたいと願う一般庶民の妻だったりする。

となるとわれわれが、国の政治なんかしらねーよ!って言ってるうちに、台風が来て屋根が吹っ飛ばされても伝染病にかかっても貧乏ってだけで政治家にしらねーよ!!と見向きもされなくなる時代が来ないとも限らないわけだ。カトリーナのときのアメリカみたいな感じで。

哀しいなしかし。

ずいぶんとまあ、哀しい未来だ。