18日に中央花道寄りにて観劇。

髑髏尼
黒塚みたいに鬼婆が出てくるのかと思ったら、全然違った。
都で源氏が平家の子供を探し出して殺す場面から始まる。亀鶴丈が非情な武士、男女蔵丈がカラスと会話できるという変な人の役で登場。
十二単姿の新中納言局(玉三郎丈)が平重衡(愛之助丈)の忘れ形見の子供を奪われて、源氏の後を追って行ったところで場面が変わる。

局は奈良の尼寺に入り、息子の髑髏を側においているため、髑髏尼と呼ばれている。
その寺の鐘楼守の七兵衛(中村福之助丈)という醜い男は髑髏尼に想いを寄せている。
福之助丈は恋するキモ男を熱演していた。

髑髏尼が祈祷をしていると平重衡の亡霊が現れて消える。
重衡は碇知盛みたいな衣装で低い声。
かっこよかったけど、正直なんで出てきたかがいまいちわからなかった…

そこへ七兵衛がやってきて、髑髏尼に「一緒に都で暮らそう」と言うが、髑髏尼は承知しない。
もみ合ううちに髑髏尼の息が絶えており、七兵衛は「俺も死ぬ!」と手ぬぐいを首に巻きつけて倒れたところで幕。
歌舞伎の演目で鬱エンドナンバーワン(私調べ)だった。
なんでこれを上演しようと思ったのか…

廓文章 吉田屋
髑髏尼の鬱エンドを払拭する華やかな一幕。
まさか歌舞伎座で、愛之助丈の伊左衛門を、玉三郎丈の夕霧と見られる日がくるとは… 感無量。

さらに衝撃だったのが、吉弥丈が休演で代役が千壽丈だった。大抜擢じゃないか?
少し若いけど素敵なおきさだった。
そして、おきさやおえんさんは、誰が演じても秀太郎丈の幻が見えるんだよね。
喜左衛門は安定の鴈治郎丈。

愛之助丈の伊左衛門は浅草以来。可愛らしい若旦那だった。ちなみに、後見は愛治郎丈だった。
夕霧が登場したときは、「本当に玉三郎丈の相手役なんだ…!」と心が震えた。
夕霧はとにかく美しかった。眼福。
いや~、幸せなひとときだった。



↑開演前に食べためでたい焼き。

 

 

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