3カ月以上前の記憶を引っ張り出しての感想。
2日連続して観劇しているので、感想はまとめてあります。
話の順番があやふやなので、間違っているところがあるかもしれません。

7月2日に前方上手寄り、3日に前方下手寄りにて観劇。
(3日は大雨で電車が止まり、途中からの観劇となった。)


奇人たちの晩餐会

元はフランスの作品らしい。
言われてみれば、皮肉の効いたところなんかはフランスっぽいように思う。
タイトルとチラシから、晩餐会に盛装した面々が集まってドタバタ劇が繰り広げられるのかと思っていたら、全く違っていた。

舞台にぎっくり腰になったピエール・ブロシャン(戸次重幸さん)が現れ、のたうちまわりつつ腰を冷やしたりしている。
まず思ったのが、「戸次さん、細っ!!」
妻のクリスティーヌ(水夏希さん)に「悪趣味な晩餐会をキャンセルして」と言われるが、改める気はないようだ。
悪趣味な晩餐会とは「奇人たちの晩餐会」のこと。
それぞれ一風変わったゲストを伴い、最もバカなゲストを決め、それをゲストたちに知られないように皆で笑いものにするという、まさしく悪趣味な晩餐会だ。
原題をそのまま訳すと「バカどもの夕食」ということで、「さて、バカはどっちだろう?」という体で物語は進む。

医者のアルシャンボー先生(大森博史さん)を呼んで診てもらったがよくならず、クリスティーヌは悪趣味な夫に愛想をつかして家を出ていく。
「お医者さんの出番、これだけ?」と思ったが、これが後で活きてくる。

さて、次回の晩餐会にピエールが招待したのは、フランソワ・ピニョン(愛之助丈)。
マッチで模型を作る変人だという。
晩餐会での優勝を目指すため、事前に話を聞いておこうとこの日家に招待したらしい。
ぎっくり腰のためキャンセルしようと思ったが、連絡がとれず家に来てしまった。(携帯のない時代の話か?)
フランソワは今でいう“空気の読めない男”で、やることなすことがずれている。だが、そこが面白い。
ずれてるんだけど一生懸命で、そこを馬鹿にされるのは気の毒だが、職場にこんなタイプの人間がいたら、多分私は切れるだろう。

フランソワが医者と間違えて厄介な元カノ・マルレーヌ(野口かおるさん)に電話してしまう。
当たり前のように浮気相手がいるところがフランス男だな。そして、奥さんと真逆なタイプと浮気する男だ。
ピエールが席を外している間にクリスティーヌが戻ってきて、マルレーヌと勘違いしたフランソワが追い返してしまう。
クリスティーヌはフランソワが晩餐会のゲストだと勘づきつつ、夫が浮気していたという事実を知って再び出ていってしまう。
その後現れたピエールは「マルレーヌがおとなしく帰った?」といぶかるが、後に事実を知って激怒する。

ピエールは家出した妻を探すため、妻の元恋人で自分の元親友のルブラン(原田優一さん)に、フランソワに電話させて探りを入れようとする。(つまり、元親友の恋人を奪って妻にしたというわけだ。)
当然のごとく、フランソワがやらかして、ルブランに魂胆がばれてしまう。
ルブランはいい人なんだか野次馬なんだかよくわからない立ち位置で、家までやってきてピエールに協力してくれる。
が、フランソワのことを晩餐会の招待客と気付いて笑ってるあたり、たぶんいい人ではない。

経緯は忘れてしまったが、不動産業(たぶん)をやってる女たらし(名前は忘れた)のところにクリスティーヌが身を寄せているのではないかと、ピエールとルブランが推測する。
フランソワの同僚で税務調査官のシュヴァル(坂田聡さん)がその不動産屋を担当しているから連絡先を知っているはずだということになり、シュヴァルを家に招くことになる。
シュヴァルはフランソワとは贔屓のサッカーチームが違うらしく、電話口で「協力してほしければ、『ビヴァ! マルセイユ!』と言えと強要するなど、これまたクセの強い人物だ。
シュヴァルは脱税チェックのプロということで、フランソワは部屋に飾ってある絵画や家具を全部しまい込む。

ここで休憩をはさみ、後半は殺風景になった部屋が舞台。

シュヴァルに夕食をふるまい、不動産屋の電話番号を聞き出し、フランソワに不動産屋相手に一芝居うたせることになる。
何度もリハーサルをしようとするピエールに、シュヴァルが「大丈夫ですよ。(フランソワは)バカじゃないんですから」と言ったとき、ピエールとルブランがキッとシュヴァルを睨むところが面白かった。
シュヴァルがこう言うってことは、フランソワは仕事はできるタイプなのか? マッチ棒の模型を見る限り、黙々と仕事をこなす分には問題ないのかも。

さて、クリスティーヌは不動産屋のもとにいるのか!?
…と一同が緊迫する中、不動産屋は「俺と一緒にいるのは担当の税務調査官の女房だ」という。
電話に出たシュヴァルが「妻と変わってほしい」と頼み、電話口で妻に「今すぐそこから出てほしいんだ」「服は着るに決まってるだろ!」というあたり、あー、フランス人ってこういうのが好きそうと思った。(偏見)
シュヴァルは、後日仕事でここを訪れるであろうことを言い残して帰っていく。

その後、マルレーヌが泥酔状態でやってくる。
そして、とうとうピエールが「自分は“奇人たちの晩餐会”の招待客であり、その晩餐会の趣旨がなんであるか」を知ってしまう。
この時のショックを受けた表情がなんともよかった。

話はシリアスに急展開。
交通事故に遭って入院したクリスティーヌは、フランソワが迎えにくることを拒む。
そこで、ピエールがアルシャンボー先生の名を騙り、クリスティーヌに電話をかけて「ピエールがどんなに必死でクリスティーヌを探したか」を熱弁する。
ピエールは「フランソワに言わされているのではない。公衆電話から自分の意思でかけている(本当はフランソワの部屋からかけてる)」と伝えて電話を切り、それを聞いたフランソワは己の行いを反省する。

このまましんみり終わるはずもなく、病院からかけ直してきたクリスティーヌの電話にうっかりピエールが出てしまい、クリスティーヌは電話をガチャ切り。
ピエールとフランソワが電話を奪い合いながら、幕。
カーテンコールと挨拶もあった。

いやー、面白かった。
なんかもっといろいろ面白いことがあったように思うが、私の記憶力ではこれが限界。

 

 

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