時超輪廻古井処

22日昼の部を中央上手側で観劇。

 

幕が開くと、ポツンと井戸がある雑木林。女性4人がやってきたと思ったら、貞子が登場してロケンロール?な曲が流れて、あっという間に3人がお亡くなりに…
警察が現場検証してるところに超心理学の教授且つ神官の室戸光(今井翼さん)が助手の高松煌平(莟玉丈)を連れて登場。
“旅館にあったVHSの映像を見ると7日後に死ぬ”という呪いを即座に解き明かす超心理学教授。すごいぞ、超心理学!
そして、助手はチャラいけど可愛い。

場面は室町時代に移り、細川勝元の世継ぎのアホボン巴之介(愛之助丈)がお馬さん遊びをしている。アホボン定番の遊びですな。
後ろには太刀持ちの愛三朗丈の姿もある。
諌めにきた船瀬三平(莟玉丈)はアホボンの不興を買ってお目通りできなくなり、許婚のお菊(壱太郎丈)とともに嘆いている。

家老の浅山鉄山(愛之助丈)と勝元の正室お春の方(壱太郎丈)がいちゃこらしながら野望を語る場面では、2人とも先程の役とは声から変わっている。
なんやかんやあって三平は殺され、何故か現代と室町時代がつながり、奇妙なだんまりが始まる。お家の重宝である皿の一枚とスマホが取り違えられ、助手が室町時代にタイムスリップしてしまう。

国崩しで「スマホなるもの」とか言っちゃう順応力の高い鉄山は呪いの仕組みにもすぐに気付いて、絵師の狩野元信(蔦之助丈)に貞子の絵を描くよう命じる。びっくりするほどハイスペックだな、鉄山。
一緒についてきた蘆屋道門(松十郎丈)が助手を呪文で操ってスマホを操作させるときに、襲名後初松竹座の莟玉丈についてご紹介。

「あざと可愛い莟玉を知らんのか」などと言われて、ちょっと困ってる風の莟玉丈はやはりあざと可愛い。
若いお嬢さんは、モテたかったら莟玉丈の女形を手本にしてはどうかと思う。
なお、若くなくなったお嬢さんがやったら逆効果と思われる。

15歳の新入りの腰元(愛一朗丈)で笑いを取った後、お菊が皿を一枚紛失したと濡れ衣を着せられ、なぶり殺しにされる。
これがなかなかえげつない。
鉄山はお菊に横恋慕してたようで、お春の方といい、女性の好みは一貫してるな。

舞台は現代に戻り、教授がきつねうどんと親子丼の翼セットの宣伝をしていたら、またも現代と室町時代がつながって、さらに助手に三平の霊が乗り移って、鉄山の野望を砕くために駆け出していく。
髪とか袂とか急に伸びたけど、そこを突っ込むのは野暮というものだろう。
愛治郎丈が結構喋ってた。

鉄山が山名宗全(男女蔵丈)に呪いの絵を見せようとしたところに教授が現れ、フラメンコのステップを踏みながら呪文を唱えたら、絵が消えた。
フラメンコ、最強。
そういえば、時折佐藤浩希先生が不思議な踊りをしながら、現れては去っていったけど、あれは何? 貞子の中身?

三平が乗り移った助手によって鉄山の悪事は暴かれ、実はアホボンの振りをしているだけだった巴之介が鉄山を倒し、お春の方は自害する。
作り阿呆は歌舞伎の定番だが、眉毛まで変わっとるやんけ。
三平とお菊の魂が救われてめでたしめでたしかと思ったら、最後に鉄山と教授が対峙して、人の世が続く限り呪いは続く…みたいなことを言って、貞子が後ろにでろ~んと吊られて、幕。

三平とお菊で締めた方が話的にはきれいだけど、座頭が締めるのか歌舞伎だしね。
ホラーできれいに終わるのもアレだし。
とにもかくにも、予想通りの奇天烈歌舞伎だった。

最後カーテンコールで挨拶と撮影タイムがあった。
前の方の席じゃなかったからあまり映りはよくないが、愛之助丈がSNSなどで拡散してもよいとおっしゃったので、載せてみる。



結局、貞子が何者かよくわからないままだったが、帰りの電車でだらだら感想メモを書くくらいには楽しめた。


↑幕間はたちばなさんでお弁当を食べた。
串かつとお寿司のお店になってるけど、以前のお店とは変わったのかな?(名前は同じだけど)
豆腐御膳をまた食べたいなぁ…

 

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