ここは芳賀地区の中で一番大きな病院の目の前にある食堂ですから、通院のついでにいらっしゃるお客様がたくさんいます。

本来食堂とは、おいしく楽しく過ごす幸せな場所と思っていましたが、病を抱え、ため息をつきながら来られる方がいらっしゃることを開店してから実感しました。


小さな赤ちゃんを抱いたお母さんは「体重が増えなくて怒られちゃったんです」と元気がありません。

通院で済むと思っていたのに「結局手術になっちゃったの」と苦笑いするご婦人は、要介護のおばあちゃんと、やはり病気のご主人がいらっしゃるそうです。

仕事の合間にお父さんのお見舞いに来られた作業着姿の男性は「目の前に食堂があって良かったぁ!」とカレーとうどんを流し込むように食べて行かれました。


他にも辛い気持ちを抱えてここに来られる方がたくさんいます。




さて、改めて…私たち「そらまめ食堂」の役割ってなんでしょう?

障がい者を支援するのを目的に作られた食堂が、もうひとつ目的が増えたようです。


元のお蕎麦屋さんだった時からここで働いているかおるさんは 「病院で嫌な思いをしたら、直接家に帰りたくないんですよね。 どこかであったかくておいしいものを食べて気持ちの切り替えをしないとダメなんです」と言います。…たしかにそうかも!


それならば、私たちにできることは、ただ食欲を満たすだけではなく、優しい笑顔とか、挨拶とか、心地よい音楽とか、清潔なテーブルとか、そんな些細なサービスの一つ一つがお客様の癒しになるのではないかと思うのです。


泣き虫な赤ちゃんは、お母さんがホッとしたら、やがてすやすやと眠り始めました。

手術が終わったご婦人は、ここでうどんを食べるのをモチベーションにして術後の通院を頑張っているそうです。

早食い一等賞の男性はお父さんが退院の日にご家族でここに来てくださいました。最初にお会いしたときよりずっといい表情でしたよ。

そんないい表情をしてくださると、私たちもまたがんばろう!と思います。




心が疲れて折れそうな方はぜひそらまめ食堂のちゃぶ台席にどうぞお越しください。


そら&そらまめ食堂のブログ-ちゃぶ台席