久しぶりに口紅を塗ったら、

マリオネット線が目立つったらで、

悲しい気持ちになった。



眉毛は左の方が右より何故か薄く、

描く時は気をつけないと片方だけケンシロウのようになってしまう。





私は目元はそうでもないが、

口元の老け具合は中々のもので、

若い頃に全く似ていなかった母親の老いた顔に、

どんどん近い付いて行っている。



最近はたるみが加わり、

二重顎が常にある。

真っ直ぐにしていれば目立ちはしないが、

ちょっと下を向くと、むにゅんと出て来る。



夫はもう食パンくらいに顎がたるんでいるので、

夫よりはマシかなどと、

変な安心感を得ている。

(夫は乙女のように傷つきやすいので絶対にそんな事を私は言わない)



寝転がってスマホをいじっている夫に、



なあ、私って最近二重顎目立って来た?



と何気なく聞いてみた。



嘘が付けないASD風味の夫は、

驚くほど動揺し、

持っていたスマホを落とし、

それを拾おうとしてスネをぶつけた。



みかんに二重顎なんてあるわけないよ!

それは皮膚!皮膚だから!



と、取り乱しながら言った。



ふうーん皮膚ねえ。。。



あるんだな。いやあるだろそれは。



などと思う私。



また最近老けたなあと思うのは、

体調がマシなサインなのだ。

辛すぎると容姿の事など気にしていられない。



若い頃にお金がなさ過ぎて、夫も私もガリガリの時期があった。



食べられるようになると、

今度はダイエットばかりしていた。


病気になると、うどんの一本も口に出来なかった。



今が人生で一番太っているが、

食事を美味しく食べられる事が幸せ過ぎて、

痩せたいとは思うのだが、

まあまあ幸せだとは思う。



それに若い頃ほどもう食べられない。

夏に入り、痩せたのではなく、

体重が落ちた。



中年になると暑さで食欲が吹き飛ぶ。

炊飯ジャーを開けるのも嫌で、

朝はヨーグルトとレモン少しをトマトジュースで流し込むというような感じになっている。



先週夫が出前一丁が食べたいと言い出し、

休日に二人で作って食べたのだが、

途中からお互いが無言になり、

後半は減るのが遅い。



食べ終わった私たちは、



もうなんか量が多く感じるんだね。。

とつぶやいた。



よせば良いのに大盛りのご飯と一緒に食べた夫は、その後気持ちが悪くなったと寝込んでしまった。



若い頃の記憶では、ラーメンライスを美味しく食べたのだろう。

だが50歳が夜にラーメンライスを食べれば、

まあそうなるだろう。

しかも麺は7対3の割合だ。



久しぶりに食べたが、次に食べるのはお正月くらいで良いかもしれない。

食べた後の胃もたれ感が凄かった。



夫は最近酒量も減り、

昨日はわざわざ買って来たウイスキーを、

一口飲んで残していた。



絶対全部飲めないから明日にしたら?

そう言ったが夫は大丈夫と笑っていた。



案の定一口飲んだらもう飲めない、

俺は疲れてるんだ、飲めなくても仕方がないなどと言い訳し出し、

そのまま寝てしまった。



かと言って私が飲む訳にもいかず、

もったいないが捨てさせて貰った。

料理上手の人ならスペアリブでもつけ込むのかもしれないが、そんなお肉は我が家にはなかった。



夫の顔面に、最近大きなシミが出て来た。

鏡を見ながら、



やだなあもう〜こんなシミ!どうしよう〜



と、おばさんが言うようなセリフを吐いていた。



二人で息子が就職したら、

行きつけの皮膚科でシミ取りやってみようと言って、その場は丸くおさめた。



夫のアトピーで通っている皮膚科は、

患者の八割がシミ取りらしい。

そして来るのはアラフィフ以降の女性が多いようだ。



そんなこんなで二人の老いはゆるやかに進んでいる。


老けたとか太っているとか、

思えるようになったら、体が楽なのだ。



そう思って老いと向き合っている。



多分一年くらい本気出してボディメイクして、

あとは二百万くらいかければそこそこには若返るだろう。



その気力と予算がないのがとても残念だ。