私の娘は縁を切って出て行った。
病院で院長先生に、薬を飲まなさすぎて、
全身が痙攣した事、
病気をネットで五時間も検索した事を告げると、
最初に戻っちゃったね〜
急に減らすのは良くないから、
もうちょっとゆっくり行こうか。
と微笑んでくれた。
急に先生、病院閉めたりしませんかと聞くと、
僕は元気な間はずっと続けますから^ ^
と、笑ってくれた。
院長先生は何故か非常に若く見える。
年齢は六十代半ばなのに、
見た目は五十代にしか見えない。
何を食べているのかと不思議に思う。
脳の病気ではないのですかと、
もう100回は聞いたであろうこの質問に、
あっはっは
またおんなじ事聞いたね!
大丈夫大丈夫!
本当にそうならそんなんじゃないから。
とニコニコ笑われてこの話は終わった。
院長先生は論文も沢山書かれていて、
本当は脳みその方が詳しいらしいと、
看護士さん達から色々と聞いているので、
信頼はしている。
私は院長先生とは気が合う方だと思っているので、この会話も不快ではなく安心出来る。
ただ、毎回娘の事を聞かれるのが、
非常にしんどい。
答えがいつも同じだからだ。
先生は娘が出て行った事で、
私のメンタルが落ちてはいないかと、
毎回聞いて来る。
治療に必要だからごめんねと先に言われるので、
もう聞くなとも言えず。
何度聞かれても同じ事しか言えない。
ええ、連絡は一切ありません。
え?まだないの?!ヒドイね!
毎回このやり取りが続く。
今回はもうちょっと深く聞かれた。
どこに住んでいるかは知ってるの?
知りません。
え?!住所も知らないの?
知りません。
ええ、そりゃ酷いね、。
確か彼氏と暮らしてるんだったよね、
彼氏のいどころは分かってるの?
知りません。
えええ??
彼氏の住所も知らないの?
はい、行方不明なので。
えー。。
じゃあ本気で連絡つかないんだ?
はい、一応警察が勝手に安否確認はしたので、
今も警察にお願いすれば、
生きてるかくらいは教えてくれるかもしれませんが、
警察に母親がストーカー化して付き纏っていると言ったせいで、私は警察から近寄らないようにと強く念を押されました。
え?あなたがストーカー?
話が見えないんだけど。。
確かとても遠くに引っ越してたよね娘さん?
はい、警察に事情を説明して、
ストーカーではない事は理解して貰いましたが、
私の名前は娘をストーカーする人間として、
警察のデータにでも登録されているのではと思います。
はあ。。ひどいね。。
そうだったの。。
はい、今は夫と息子と3人で仲良く暮らしていますし、娘の事はもう気にしていません。
もういないものとして、家族3人でやって行こうと話しています。
そう言うと、
あなた本当に苦労するねえ。。
と言われた。
薬の量と次の予約を取って、
先生にお礼を言って診察室から出た。
だからもういないんですって。
何回聞かれても。
ベテランの院長先生でも理解が追いつかないのが、娘なのだった。
午後は息子と銀行ついでにちょっと寄り道をした。
スイーツを買って、息子の就活の話を聞いた。
空は高く、風が気持ち良かった。
娘がいなくても、楽しかった。
私はもう娘がいなくても幸せを感じられる。
とても成長したと思う。
フォロワーさんの温かいコメントのお陰も多分にある。
このブログがなければ立ち直れていなかったと思う。
娘は失ったが、温かい言葉は沢山得られた。
もう十分恵まれている。
私は幸せなのだ。
そう思った。