とある有名なお坊さんがいた。
とても人気がある人で、
当時友人に勧められて、その人の説法を聞いた。
ある日幼いお子さんを亡くされた方が来た。
今日はどうされたのと聞かれ、
母親は息子を亡くしましてと言った。
その時の、
あらそう。
という返事が、どうしても納得いかなくて、
それ以降いい話を沢山していたが、
あんな返事、自分なら出せるだろうかと思った。
あらそう。
ほんの一瞬の一言だった。
この人には子供を亡くしたらどうしようと言う、
恐怖も痛みも共感もないと感じた。
検索すると、お子さんを捨てて育てていない人だった。
もちろん育てていなくても、共感する人はいるし、
あらそうと言う言葉自体がおかしい訳でもない。
ただ、私にはその人の あらそう が、
納得行かなかった。
先日私はメッセージをいただいた。
詳細は伏せるが、お子さんを亡くされた話を聞いた。
私にも子がいる。
もらい泣きをして、しばらく返事が書けなかった。
ご近所でも、お子さんを亡くされた方が何人かいらっしゃる。
どれだけの月日が流れても、
その悲しみは消えない。
あの あらそう には、
わざと明るく言ったのでもなく、
ほんの一瞬出た、他人事の返事だったと思う。
あくまでも私の主観だが。
誰もが理不尽な中を懸命に生きている。
私もそうだ。