そろそろ就活の準備だと言い、

あれこれと何かをやり出した息子。



ある日、



僕、警察官になる



と言い出した。



私はご飯を吹き出しそうになり、

ぐっと堪えた。




そ、そっか。でも柔道も剣道も出来ないのになれるの?



そう聞くと、



受かれば警察学校で習うから大丈夫と息子は言う。



もちろん内心は大反対だが、

(親の欲目を入れても向いていない)

口にすれば息子はとても傷つくだろう。

私の言うことを聞く子でもないし。



そっか、自分でそう決めたのなら、頑張って。

それだけ言って、その話にはしばらく触れずにいた。




数日経った頃、

やっぱり警察官は諦めると息子は言った。



え、なんで?と聞くと、



ずっとなりたかったけど、僕多分。。。。







警察手帳無くすと思うから。。。





と言った。





そこだよ!最初っからそう思ってたよ!

向いてるわけないだろうが!

警察学校なんて厳しいに決まってるし!

おまえ絶対手帳も手錠もなんなら制服もなくすよ!



などと色んな思いが私の心を巡ったが、




そっか、いい判断だね。



とだけ言った。




警察は諦めて、別の分野の資格試験を受けて、

違う道を行く事にしたらしい。



本人は自分で出すと言っていたが、

さすがに参考書くらい買ってあげたいと思い、

一緒に本屋に行き、試験用の色々を買った。



冒険が大嫌いな息子は、

八割がた単位も取ったようで、

これから資格試験を頑張ると言う。



私の息子だが非常に真面目に育ち、

一体誰に似たのかと思う。



どうなるかは分からないが、

頑張って欲しいと思う。