用事があって少し遠いお店に行った。


息子はとてもイライラしていて、

お店に着くまでネチネチと私に嫌味を言った。



運転は荒く、途中しきりに何かを言うのだが、

片方の耳が耳鳴りがして聞こえにくく、

ああもう!なんで話通じないかな!

と、お店の中で怒り出す始末だった。



どうやら先日の診察代を自腹で払ったのが気に入らないようで、とはいえ反対を押し切って、

絶対に自分は心臓病だと断定し、

自腹で行くから小言は言うなと言い切った手前、

税金祭りの母親に、お金をくれとも言えない息子は、お金がないをネチネチと言い続けていた。



急な車の修理もあり、

タイヤも買い替えないとならず、

夏のボーナスまでは遠く、

息子の学費はまだ続くので、

全部は無理だけどと半分出したのだが、

それでもお金がーなどと、

とにかく私への嫌味をずっと言い続けるのだった。



帰りがけにおじいさんの軽トラックが、

息子の進路を塞ぐように突っ込んで来て、

さらに息子を睨んだまま動かず、

息子によけて左折したらと声をかけたら、



クソジジイ!!ぶっ◯◯ぞコラア!!!

ぎゃーギョーグエーうわー!




と叫ぶ息子。




もー良いから、よけて左折しよ、

と説得してやっと動き出す息子。



普段大人しいのでちょっと驚いたが、

お年寄りの場合、突っ込んで車に体当たりして、

慰謝料も払わず泣き寝入りのケースがほとんどだし、今回はラッキーだったのだから、

極力お年寄りの車には近づかないようにした方がいい、そう言ったが息子は聞かず、

機関銃のようにおじいさんを罵倒し、

人が変わったようだった。




その後もネチネチと私に嫌味を行って来るので、




おいそろそろ喧嘩か?喧嘩するのか?

こっちの武器はヒステリーと兵糧攻めだが、

そっちは何で喧嘩する?



と、穏やかに聞いた。



そんな〜喧嘩なんてしませんよ〜

お金もらってご飯まで買ってもらって、

まさか〜



と言う息子。



いや、ネチネチがしつこい言うてるねん、

そろそろやめやあ、なあ?



そう言うと、



お母さんだって悪い言葉使ってるんじゃないの?

と言い出した。



そやなあ、でもアレお母さんじゃないねん。

あれ、別の人やねん。



何かこう、わるーいもんが乗り移るんやろなあ、

怖いなあーああ怖い。



そう言うと、



都合が良いね、と言う息子。



あーもう分かった、相撲とろう、

相撲で決着つけよ、なあ。



白黒つけようや!



張り手をしながらそう言うと、



相撲って。。



と言って、息子は嫌味を言うのをやめた。



友達は皆お金持ちというか、

父親の両親の家で同居しているので、お金があるのだった。



友達は裕福なお小遣いでパチンコに行くのだが、

息子は覗きには行くが、お金が無駄になるので行かないと言う。



自分だけがバイト代で切り盛りしているので、

不満なのも分かるのだが、

時給580円とかの暗黒の昭和を生きた、

私や夫は、知るかと内心思っている。



週に二日しか学校に行かなくて良くなり、

単位もかなり取ったので、

息子は暇なのだった。



そのうちバイトを増やすと言っていたが、

そうしろよと思う。



娘を甘やかして懲りたので、

息子には頑張って生きて欲しいと思っている。


息子にお金を少し渡すべきかと夫に聞いたが、

俺はあの歳には一人暮らしでバイトして、

大学にもガソリンがない日はチャリで行っていた。


気に入らないなら自分で稼げば良い。

腹いっぱい飯が食えて、

母親が洗濯や料理をしてくれる事が、

どれだけ恵まれてるか気づけばいい。


と言われたので、半分だけそっと渡したのだが、

どうやら息子は不満なようだ。



しばらくネチネチは続くだろう。

どうせえっちゅうねん、まったく。