朝、鼻の頭に風を感じた。

急に眩しい光がピカピカして来た。



私が目を開けると、夫が私の顔に、

クリヤファイルで私の顔に風を当てながら、

スマホのライトをピカピカ当てていた。



何してるんと聞くと、

もう朝だよ⤴️と夫。



あ?昨日随分色々言うてくれてたやん。

と言うと、



ごめん。朝マック行こう!

好きなものいくらでも頼めばいいよ!

と夫。



ああそう。。

そう言って着替えて歯磨きをし、

私は外に出た。



夫がしきりに面白かったYouTubeの話をしている。興味がないので上の空で聞き流す私。




話終わったところで、



で、昨日の事どう思ってんの?

と聞いた。



俺が悪かったけど、俺の気持ちも分かって欲しい。



夫はそう言った。




自分の気持ちを伝えようとしたか?

休もうと思ってる、それを連呼されても、

どんな気持ちか分からん。

横柄すぎる。

仕事の事で色々あるなら出勤したいなら行けば良い。私はいつもそんな事で怒らない。



かつては自分も働いていた、

責任があるのも休日潰してでもこなしたい仕事があるのも理解している。



きちんと伝えてくれないと気持ちなんて理解できない。



そう言った。



分かった、ごめんと言って、

しばらく夫の仕事の話を聞いた。



夫は管理職で休日出勤手当も残業代もつかない。

部下の子達はもちろん出る。



難しい仕事を部下の子にお願いして、

自分だけ休む事に罪悪感を覚える。

管理職として部下の子たちが働きやすい環境を作らなければいけないのに、自分だけ休むのが許せない。



そう夫は話した。



そんな夫の三月の休みは三日しかない。

家庭に自分がいない不便さを、

夫は理解していない。



私は言った。



あんたは手当が一切出ない。

それをふまえても困っているお客様や取引先、

業者さんの為に休日を潰してでも飛んで行く生き方を、私は不器用だけど好きだと思っている。

だから休めない、休みたくない日ははっきり言えば良い。



私は大した家事ができない分、

仕事には理解があると思っている。

休む事に罪悪感を持つくらいなら、

いくらでも仕事に行けば良い、

私は気にしない。



ただ、罪悪感なく休みたいのなら、

病気の妻の為に俺は休むのだと、

そう思えと夫に言った。



あんたがもし会社を辞めても、

売り上げが落ちるし困る人は増えるけど、

それでも代わりはいる。



でも私にとって夫の代わりはあんた以外いない。

私の為に休日を使うのなら、

部下の子たちに罪悪感を持たずに、

休めるのではないかと言った。



夫は言葉に縛られる傾向がある。



私の提案に、夫明るい顔になり、

そうだな、そう思うよと笑った。



もちろん私はこのままメデタシメデタシで終わるつもりはない。



しっかり園芸店まで夫に運転させ、

土と花と砂利を車に積み込ませ、

庭まで運ばせた。



もちろん夫には、私一人でやるから、

杖を持っていてと言った。

そんな事を言われてあっそうと言える夫ではない。



砂利かよーとぶつぶつ文句を言っていたが、

悪いから私が運ぶと思ってもいない事を言うと、

俺が運ぶから車で待っいてと夫が言う。



サイドミラーに映る、

大量の砂利を運ぶ夫の姿を見て、

昨日の腹立たしい気持ちを許そうと思った。



運び終わった夫に、

もう機嫌が治ったからねと言うと、

良かったと満面の笑みを浮かべ、

家には入らず趣味を楽しむ為に車で飛んで行った。



ASD風味の夫と口の悪いADHDの妻の私。

わりとうまくやれているのではと思う。



昨日は腹が立って中々眠れなかったが、

夫が私のカード占いのサポートをしたいと言い出して驚いた。

自信が持てないと言ったのだが、

みかんなら出来ると言う夫。



嘘がつけない夫が言うので、

そうかなと答えておいた。



その他色んな話が出来て、

結果良かった。



私はもう少ししたら庭に砂利を撒く。

花はとりあえずビオラだけ買った。



ヒヤシンスは今年は生えて来なさそうだ。

とても残念だ。

球根は時期が違うのか、何故か売ってなかった。



そんなこんなで春が始まった。

今年はどんな年になるだろうか。

めまいが減ると良いなと思う。