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9月23日広島市で開催された、CKDセミナー。

 

 

 

 

北九州市門司区の門司港腎クリニック院長・田中秀欣先生の講義内容について、

自分自身の記録・勉強のためにまとめてみました。

田中先生の許可をいただいたものではなく、セミナー公式の記録でもありませんので、

あくまでも私個人的なものとしてお読みいただけると幸いです。

 

田中先生のご経歴等については、開業されている門司港腎クリニックのHPを

ご覧ください。

 

 

講義の内容の主な内容は

①透析患者は感染弱者

②これからは”予防医学”の時代

③腎臓の主な働き

④腎臓病は全身性病気

⑤運動について      です。

 

 

①透析患者は感染弱者

透析は長い時間同じ場所でたくさんの患者が集まって行う。

よって感染症はすぐに感染拡大しやすい。

またいったん感染すると重症化のリスクが高い。

ところが近年、透析患者に風邪薬を処方することがめっきり減った。

コロナの影響で感染対策がしっかりできるようなったから。

うがいは1日8回(起床時、毎食前後、就寝時)、手洗いの励行、

外食を減らす、マスク着用など。

マスクをしていると、口呼吸になりやすので、要注意。

口を閉じて、鼻からの呼吸をする。自然と腹式呼吸になり、

副交感神経が優位になり、リラックス効果がある。

 

②これからは”予防医学”の時代

これまでの医療は、感染症との闘いに始まり、

癌そして糖尿病と闘ってきた。

これからは、やっと、”予防医学”の時代になる。

今の体は過去からの結果が現れたもの。

新しい知識、高度な技術、複雑なもの 

本当にそれらはいいものなのか。

「早く簡単に」結果を得ることを求めすぎていないか。

「何が正しいのか、何が悪いのか」を知ることが大事。

それを教えてくれる人に付くことが大事。

自分の身体の状況がわからない、例えば蓄尿検査をしないで

現状が把握できていないのは、「行く先がわからずに運転している」

のと同じ状況。

 

③腎臓の主な働き

腎臓は”受け身”の臓器。食べたもの、体に不要なものを

黙って片づける。

膨大な量の血液が糸球体で濾過され、それが尿細管で再吸収される。

糸球体からたんぱくが出ることはないので、これが出るということは、

糸球体がつぶれていることが予想される。

尿細管での再吸収は、水分が少ないと非常に負担がかかるから脱水は危険。

クレアチニンという物質は出口が腎臓しかない。

だから腎機能が悪くなるとクレアチニンの数値が上がり、

これを素に計算するe-GFRが数値が下がる。

よって、腎機能判断の指標に使われる。

 

④腎臓病は全身性の病気

腎臓病には、種類がある。

糸球体腎炎、糖尿病性、高血圧性、尿細管系、血管系、遺伝性など。

特にIgA腎症などの糸球体腎炎は当初腎臓の一次性の病気と考えられていたが、

実は免疫が関係してる病気だということで、「扁桃腺摘出+ステロイド」の治療

が始まった。最初は「本当かな?」と思われていたが、最近ではIgA腎症患者の

透析移行が劇的に減少しており、結果が出ている。

腎臓病の治療は、

・原因疾患の治療

・増悪因子の軽減、治療 

・生活習慣の改善(快食・快眠・快便)が基本。

「いいことをするより、悪いことをやめる」ことが大事。

インターネットなどで少し勉強して、それで安心してはダメ。

「これがいい」「あれが効く」に手を出すのではなく、

「(腎臓に)悪いことをやめる」ことが有効。だから、蛋白質制限は必要。

検診などで悪い数値があるとき「まだ、いいよ」と言う医師がいる。

「悪くなるまで待て」ということか?

車を運転中に少し右に曲がっていたら、「まだ大丈夫」で済ましていいのか。

そうじゃない。「少し右に曲がってますよ」「ちょっとハンドル切りましょう」と

早め早めに対応するから、是正もできる。

自分でも、(現状や治療など)何をやっているのかわかっていないと、

是正していくことは難しい。

ステージに合った治療をすること。

医師とのコミュニケーションは、日々の記録を見せて相談を。

”全身を診ている””先を診ている”人に必ず相談してほしい。

 

⑤運動について

運動で大切なのは”ちょこちょこ動かす”こと。

これによって、蓄積しやすい炎症性物質を流すことができる。

また、発汗を促す。サウナに行くことはない。

長袖のシャツを着て、部屋の掃除をするだけでいい。

「腰が痛いのは腎臓が悪いからですか?」と聞いてくる人がいる。

まったく関係ない。腰が痛いなら、足を組むことをやめればいい。

運動をすると、膝や関節が痛いという人がいる。

また、怪我をすることがある。なぜか?

「関節の動きが間違っている」から。

関節が正しい動きをするように筋肉で支えるようにできている。

しかし、その筋肉が弱っていると、正しい動きができずに、

怪我につながる。

「関節トレーニング」「ささがわ」YouTubeで検索すると出てくる。

とても有効な運動で、私自身も家族もやっており、患者さんにも勧めている。

よければ参考にしてください。

 

 

 

 

 

以上、田中先生の講義を5つのポイントにまとめてみました。

事前のアンケートにて、参加者の多くがステージが

まだ軽い方が多いということで、その方々がわかりやすい内容だと感じました。

 

④腎臓病は全身性の病気 にまとめた内容は、私自身とても興味深く

参考になる内容でした。

ネット上では、真偽不明の内容や食品・サプリなど情報が溢れています。

一度悪くなった腎臓の組織はよくなりません。

「いいことをするより、悪いことをやめる」

これからずっと忘れてはならない、大切なことです。

 

 

文字ばかりの長文になってしまいました。

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 

福田先生の栄養指導については、資料と一緒に

すこしづつ、共有させていただきたいと思っています。

もうしばらく、お待ちください。