子どもは・・・自立している。

いい意味で親子の縁は希薄になったので私の出番はない。

どんなに案じたところですでにもう必要とされてないのだ。

 

長年一緒に生活しているダンナは・・・赤の他人から家族になったとはいえ

もうこの人に何かを期待するほど私は若くない。

そうだな、家にいてくれたら防犯上、多少役に立つかな。

私に何かあったら腐る前にそれなりの処置くらいしてくれるかな。

 

化粧する時は首から上を老眼と戦いながら なんとか仕上げる。

服を着る時はさほど大きくもない鏡に体を映してサッと整える。

 

そういえば最近着物を着てないなぁ・・・

そうか、もう入学式も卒業式も無縁になったし、

お出かけもこのご時世じゃ、ね。

てことで着付けるとき使っていた姿見を引っ張り出して

頭の先から足先までしげしげと久しぶりに自分を映して見てみた。

 

ある程度予想してたとはいえ

自分の全体像を客観的に見て・・・こんなに老けたのか。と思い知る。。。。

 

たまたま部屋を片付けていて出てきた写真にいた自分は

子育て真っ最中とはいえ若い。当たり前だが 若いのだ。

 

薄化粧でスッピンに近いけど公園で幼子を追いかける私は我ながら・・・眩しい。

厚化粧で病院の待ち合いにいる今の私は覇気のない初老のオバサンだ。

 

姿見を引っ張り出してから毎朝、全身を映して見るようになった。

すると、、、今までフツーに着てた服がぜんぜん似合ってないことに気がつく。

それは色だったり、全体的なバランスだったり。

地味な色を着ると薄汚く見えるし

オシャレなデザインの服は妙に全体のバランスが悪い。

(年をとると顔の肉も下がるので体にメリハリがなくなるのはもちろん、顔が大きくなりがち)

 

人に必要とされないだけでなく

見れば見るほど肝心の自分も好きになれなくなってきた。

 

ちょっと横道?だけどもう トキメク恋愛なんてありえない。

むしろ年をとっただけなのに世間から嫌悪の目で見られることの方が圧倒的に多いし。

立ち寄る店によっては若い子には親切なのに

あからさまにオバサンにはテキトーな接客をする店員もいる。

何かや誰かが悪いと思ってるわけじゃない。ただ、やるせない。切ない。

 

出先でイキイキと楽しそうに生きている私より年上のご夫婦を見ると

何がそんなに楽しいのか本気で聞きたくなる。

徹底した自己防衛で健康管理して長生きしたがる人を見ると

何のために長生きしたいのか本気で聞きたくなる。

(病気やケガの痛みや苦しみから逃れたくて病院へ行く気持ちはわかるのだが・・・)

今の私にはピンピンコロリのピンピン部分の生き甲斐?が、どうしても見つからないのだ。

 

こういうのを不定愁訴っていうのかな?たしかに更年期だし。。。

更年期を抜けたら何か見えてくるかな。

 

せめて、こんなふうになりたいな。って思える何かと出会いたい。。。

 

そうだ、今度平日の人が少ない時に日帰りで温泉でも行こうかな。

読まずに溜まっている雑誌を数冊持って行こうかな

とりあえず そんなことができる今に感謝しなきゃいけないのかもしれないな。

 

そう思う春、私はバアさんの入口です。