わたしが勤める組織では、
その組織での勤続年数だけでなく、
それまで働いてきた職歴がすべて給与に反映される。(らしい)
もちろん民間企業だって前職での経験が反映はされるだろうけど、
さらにフラットというか、
アルバイトだろうが、派遣だろうが、個人事業だろうが、
たとえ今の職種と関係ない仕事であっても、
とにかく「働いていた」という記録があればよいという印象。(人事のことは詳しくないので、詳細は不明。あくまで個人の感想)
採用時にこれまでの職務経歴を書いて提出するのだけど、
「会社勤めをしないで個人で請け負って図面を描いていたこととかも全部書いたほうがいいよ」
と先輩非常勤職員からアドバイスを受け、
妊娠出産時に在宅ワークしていたことも記載した。
大学卒業後、就職はできなかったけれど、測量会社でアルバイトしていたから、それも職歴になる。
社長と合わなくて1ヶ月で逃げ出した派遣先も、職歴になる。
非正規雇用だろうが、在職期間が短かろうが、関係ない。
毎年提出するこの調書は、わたしの書類だけ他の人と較べてやたらと欄が多い。笑
わたしは37歳から正職員になったけど、新卒から働いている同じ年齢の職員の人たちと、お給料にほとんど差がないことは、ある意味で衝撃だった。
わたしが採用になった年は、わたしの職種は6人の新規採用者がいたが、そのうち5人が36歳以上だった。(そのうち2人は50代)
最近変わったのだが、以前までわたしの職場では、「34歳になる年に『主任』に昇任する」という慣例があった。
勤務実績などまったく関係なく、単純に年齢だけで昇任する謎のシステムだった。
その次の『係長』からは、登用試験を受け合格した人だけがなれるのだが、『主任』は年齢により自動的に昇任した。
だから『主任』という役職の人は、34歳以上なんだとわかる。
4月に『主任』に昇任した人は、
「ああ、◯◯さんは今年34歳になるんだね」と、
まるで「◯◯ちゃんは今年小学校に入学するのね」という感覚で昇任を迎えていたのだ。
(数年前から、『主任』も登用制に変わった。)
はじめから34歳を超えていたわたしたちは一体どうなるのかなあと思っていたら、
なんと採用から1年で、オーバー36全員が『主任』に昇任された。
これにはちょっと戸惑った。
たしかに社会経験は積んでいるが、この組織独自の仕事のやり方にはまったく疎い自分が、『主任』になるのは変な気分だった。
新卒から勤めている10歳下の職員のほうが、自分よりよほどこの組織での仕事はできる。
だけど、見かけの役職は自分のほうが上になるというのは、当時は複雑な心境だった。
『主任』になると、『係長』への登用試験を受ける機会がうまれる。
わたしも4年前に登用試験に挑戦し、今年度から『係長』に昇任させていただいた。
『主任』のときとはちがい、今回は自分でもがんばったと思える昇任だった。
採用から9年が経ち、今の組織の職員としても自信がもてるようになってきた今日この頃である。
たとえ非正規雇用でも、
たとえ在職期間が短くとも、
自分がこれまで経験してきた仕事に何ひとつ無駄なものはなかった。
それらの集大成が今だと胸を張って言えるようになった。