同棲していた彼と別れたあと、わたしは心身を崩した。

 

パソコンの画面を見ていると、目眩が起こり、図面を描くどころではなくなってしまった。

 

つねに体が重く、食欲も減退した。

 

 

通勤にバスを使っていたが、車酔いがひどく、途中で何度も降りないと、職場のあるバス停まで辿り着けなかった。

 

 

いろいろな病院を転々とした。

 

最終的には、精神科で「パニック障害」と診断された。

 

 

あのころのわたしは、彼と別れたことに強い罪悪感を感じていた。

 

 

彼は、わたしの過去を許せず憎んでいたが、それでもわたしといることを望んでいた。

 

わたしの過去に対する憎しみから、暴言や暴力を振るうことがあり、わたしはそれが恐怖だった。

 

 

しかし、当時のわたしは、彼のことよりも、自分を責める気持ちのほうが強かった。

 

わたしにこんな過去がなければ、彼はこんなふうにならずにすんだのに。

 

わたしに落ち度さえなければ、彼はもっとわたしに優しくできたはずなのに。

 

こんなふうに、自分のことを責め続けていた。

 

 

彼を見捨てた自分は、しあわせになってはいけない。

 

わたしの心は、自分自身を攻撃し、痛め続けていたのだろう。

 

 

彼と別れるまぎわに、ネットで知り合った人との恋愛に逃げた。

 

そのときの話は、下記リンク記事に書いている。

 

たとえ幻想でも、すがれる何かが欲しかったのだと思う。

 

 

仕事を辞め、実家にひきこもる日々を数ヶ月過ごした。

 

「働けない。生きているのもつらい。」

そう言うわたしを、家族はだまって保護してくれた。

 

コンビニに買い物に行く体力や気力すら、当時はなかった。

 

わたしにできることは、部屋にひきこもり、インターネットで人とつながることだけだった。

 

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