Aちゃんは、Oくんのことが好きだった。
わたしがそのことに気づいたのは、Oくんとつきあうようになってからだったと思う。
わたしは当時、Aちゃんに、いろいろとOくんとの恋の相談をしていた。
だけど、あるとき、
もしかしたらAちゃんもOくんに恋をしているのではないかと感じたことがあった。
「もしかして、AちゃんもOくんのこと好きなの?」
と聞いたら、
「うん、好きだよ」
と、Aちゃんが言った。
Oくんも、Aちゃんが自分に好意を持っていることは知っていた。
だけど、あくまでともだちと割り切って接していた。
OくんはAちゃんのことを「ともだち」としか思ってはいなかった。
そして、わたしはOくんの「彼女」だった。
今思えば、勝敗は歴然としていたけれど(それは勝ち負けではないけどね)、
当時のわたしは、Aちゃんの存在がイヤでたまらなかった。
高校3年生の夏、最後の大会のとき、
わたしは手作りのお守りをOくんにプレゼントした。
ところが、大会が終わったあとで、
Aちゃんも同じように手作りのお守りをOくんにプレゼントしていたことがわかった。
「なんで、それ、受け取ったのよ!」
と、Oくんに怒ったことを、今でもおぼえている。
Oくんとわたしが別れてからのことは知らないが、
わたしたちがつきあっている間は、
AちゃんのOくんへの想いは一度も実らなかった。
わたしは、あのころ、なぜあんなにもAちゃんに嫉妬していたのだろう。
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