中学1年生のころは、Kくんに片想い。

 

サッカー部のKくんは背が高くて、運動神経もよかったから、よくモテた。

 

わたしは、なんでKくんを好きになったんだろう。

 

おなじクラスでもなかったし、話したことはあったのかな?

 

もうほとんどおぼえてない、、、

 

あ、そうだ。

わたしの女ともだちの家と、Kくんの家が、すぐ近所だったんだ。

 

そのともだちも、Kくんのことカッコいいって話してて、それで気になりだしたような気がする。

 

雨の日、下校していたら、Kくんのうしろ姿が見えて、Kくんに気づかれないように、すこしうしろをずっとついて行ったことがあった。

 

話しかけてみようかな、なんて思いつつ、結局そんなことはできないまま、Kくんが自宅に入るまで見守った。

 

Kくんの家のほうまで行くと、わたしは遠回りになるけど、そんなことはどうでもよかった。

 

バレンタインのとき、Kくんにあげようとチョコレートを手作りした。

 

うまれてはじめて「トリュフ」をつくってみた。

 

最後にふりかける「ココアパウダー」が家になくて、家にあったミルクや砂糖が調合されたココアをしかたくまぶした。

 

となりの学区にあるイオン(当時は「ジャスコ」と呼んでいた)に行って、ガラスの瓶とラッピングを買ってきた。

 

「なんちゃってトリュフ」を瓶に詰めてラッピングし、バレンタインデー当日を迎えた。

 

Kくんが下校するのを見計らって、また、うしろを、てくてくついて行った。

 

途中、Kくんが順番にともだちと別れていって、ついにひとりになった。

 

Kくんに見つからないように、ずっと少しうしろを歩いていたものの、

結局、声はかけられぬまま、Kくんは家の玄関を入っていった。

 

ピンポンを鳴らして押しかけようか、

なんてことも妄想したけど、

実行にはうつせぬまま、

トボトボと帰宅した。

 

家に帰ってから、

自分の部屋でこっそり

前日包んだラッピングをほどき、

ひとり黙々と「なんちゃってトリュフ」を食べた。

 

「なんちゃってトリュフ」は、なにげに美味しかった。

 

あの日食べた調合ココアをまぶしたトリュフの味は、忘れられない。

 

それは、わたしにとって片想いの味。

 

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