恋人を失い、仕事を失い、わたしは実家でのひきこもり生活をはじめた。
自分がなんのために生きているのか、わからなかった。

あ、「恋人を失い」と書いたが、一応、「松葉づえ」代わりの人(ひどい言い草だが)とはおつきあいしていた。
とはいえ、その人とは遠距離での交際だったので、3~4ヶ月に1回会う程度。
メールなどで毎日のように連絡はとっていたけれども、わたしは次第にその人とのおつきあいにも苦痛を感じるようになってきていた。
今思うとすごく不思議だけど、文字でのやりとりだけなのに、ものすごく束縛されている感じだった。
おそらく、あれは、わたしがわたし自身をなにかでがんじがらめにしていた投影だったのだろうなあ。

話はもどり、そのころのわたしは自分の人生に絶望していた。

働くこともできない。
まともな日常生活を送ることすらできない。

つねに、どうやって心を落ち着かせ、からだが悲鳴をあげない状態にコントロールするかを考えていた。
からだが異変を起こさずに一日を過ごすことに必死だった。

息をしたり、食事をしたり、睡眠をとったり、そうした人間として最低限の営み以外、ほぼなにもせずに一日を過ごす感じだった。

なにかしらの体調不良が起きてしまうので、外出することも苦痛だった。
通院や、失業給付を受けるためのハローワーク通い以外、外出はほぼせず、人と会うことも極力避けつづけていた。

こんな毎日が一体いつまで続くのか、
出口の見えない真っ暗なトンネルに迷い込んでしまったような、
底なし沼にどんどん沈んでいくような、
恐怖と不安の日々だった。

(次回へつづく)

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