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ありがとうございます。

 

弘前は麗らかな春の日が続いています。

 

 

 桜 桜 桜         チューリップ赤チューリップピンクチューリップ紫チューリップ黄チューリップオレンジ

 

 

さて今回は

澁柿園3月号(第595号)より

 

小野いるまさんの『俳人の詠んだあおもり』 の18回目 をお届けします。

 

 いるまさんの以下の3冊の著書から、月1回の割で、澁柿園の俳人を中心にご紹介しています。

 

『俳人の詠んだあおもり』   (2008年 北方新社)

『続俳人の詠んだあおもり』  (2009年 北方新社)

『俳人の詠んだあおもり第3集』(2010年 北方新社)

 

また現役俳人でもいらっしゃるので1句ご紹介。

 

     今月の一句

 

         つばめ飛ぶ海峡線は海の下   小野いるま

 

 

 

 桜  桜  桜  

 

 

 

 小野いるまの

  俳人の詠んだあおもり⑱ 

 

        清水 雪江(しみず ゆきえ)

   

           雪降れば雪の気持ち

 

 名前に「雪」の字がつくだけに、清水雪江は雪が大好き。 子規、蛇笏ら雪の名句がたくさんあるが、中でも雪江の好きな句は

 

たましひの繭となるまで吹雪きけり   斉藤玄

 

だという。癌と闘いながらの作句。病床で蛇笏賞受賞を知り、その直後に亡くなっている。 壮絶な心境だからこそ、人間の内面を深くとらえた作品になったのでは、と雪江は思う。彼女自身の雪の句で思い入れが深いのは、二十年ほど前に作った

 

雪降れば雪の気持ちに地蔵さま   雪江 (以下の句も同作者)

 

 クリスマスイブの日だった。 仲間十五人ほどで七里長浜を吟行した。 完全武装し、覚悟のうえの出立だったが、案の定猛吹雪に襲われる。 やっとの思いで十三湖にたどり着き、当夜は中の島のログハウスに宿泊。 二次句会、三次句会と延々と続いた。地蔵がどの辺にあったのか、記憶は定かでないが、とにかく途中で見かけた。吹きつける雪。 連衆以外は誰も通らない道ばたで、地蔵は雪を着ていた。寒そうに見えない。むしろ雪を着ることによって、地吹雪から身を守っているように見えた。人影のない寂しい地蔵だが、雪が話し相手であり、友だちなのだ。そんな思いでこの句を作った、と雪江は自句自註する。

 

 この句に対し、彼女の所属する「青嶺」の木附沢麦青主宰の鑑賞がユニークだ。プロフィールも兼ねた一文になっているので、そのまま引用しよう。

 

――清水雪江さんは、しばらくの間、県南地方にいた。詳しく言えば名川町と八戸市である。 この間、精力的に俳句と取り組み、その成果も目を見張るものがあった。ご主人の転勤で現在は故郷の津軽に帰った。 津軽といえば雪と米、林檎を思い浮かべるが、雪江さんはご両親から、〝雪〟の一字をいただいている。他の人より雪に愛着を覚えているのではないか。

  以上のことを考えに入れてこの句を読んでみると、雪の気持ちがわかってくる。林檎の気持ちに通じる雪の気持ちなのである。地蔵にもわかるが、雪江さんにもわかるのである。自然界の変化をありのまま受け止める地蔵さま。雪も時には花と見えるだろう。(青嶺叢書「青嶺俳句鑑賞」より)

 

 雪江は青森生まれ。 平成元年に「萬緑」入会。 地元誌ではそれ以前から入会していた「青嶺」のほか「渋柿園」にも名をつらねる。 青嶺では新人賞と同人賞、渋柿園では渋柿園賞を三回、萬緑でも先ごろ念願かなって新人賞を受けた。 現在同人。 萬緑県支部報「未来」 の編集を西谷是空から引き継ぎ、多忙な毎日。 銀行員の夫の転勤が多かったため養護教諭を途中退職したが、現在は藤崎町に落ち着いた。転勤先で多くの友人ができ、それぞれの風土を句に詠めたのは、今にして思えばプラスだったと彼女は言う。

 本書「中岡毅雄」の項で詳しく取り上げているが、 八戸時代に山下節子と尻屋へ吟行、ここで偶然中岡毅雄と出会う。尻屋へ向かう途中、白鳥の群を見かけ

 

思はざる白鳥とあふ朝ぼらけ

 

の句をものにしたのも忘れられない思い出だ。 今は亡き成田千空から、いろんなことを学んだ。晴れた日だけでなく、雨には雨の、嵐には嵐の句がある。どんどん吟行し、句を作りなさい――。師の教えに従い、発想は自由に、表現はリアルに。 これを心がけたいと雪江は思う。 県南での句、津軽に戻ってからの句を各二句。

 

蕪島は古墳のかたち霧笛鳴る(八戸)

 

背負はれし雉に夕日の大きかり(名川)

 

枯れきって爽郎の森軽くなる(鶴田)

 

缶蹴ってそこより音の厚氷(藤崎)

 

藤崎町の雪江宅のすぐ裏に平川がある。 白鳥渡来地で知られ、 二月には白鳥まつりが開かれる。その平川で詠んだ雪江の一句。

 

中州いまカヌーの形鳥帰る  

 

           (『俳人の詠んだあおもり』2008年刊・北方新社)

 

 

 

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チューリップ
 

 

《弘前公園散策その2》

 

今日、句会の前にまた弘前公園へ行った。というより、

 

あんまりうららかなので、句会の前に公園のベンチで昼食をとろうと思ったのである。

 

偶然途中の杉の大橋で恵さん(会友)と会った。

 

600号記念合同句集(今夏刊行予定)の話を少ししてから、水芭蕉が咲きだしたことを聞く。

 

行ってみなくては、と別れて南内門をくぐり、坂を下ったら、今度は郁子さん(会友)と出会った。

 

句会の日の昼頃はいつもこんな感じである。

 

 

 

 

 

 

水芭蕉は咲き始めたばかり。鴨が二羽仲良く何かを啄んでいた。

 

さくらの季節が近づいて人出も多くなっているが、

のどかな弘前公園の昼である。